画像: 浦井健治×ソニンでシェイクスピアの問題作

 世田谷パブリックシアターと文学座、そして関西の公共劇場である兵庫県立芸術文化センターによる共同制作作品『トロイラスとクレシダ』(7月15日〜8月2日)の制作発表会見が2日、世田谷パブリックシアターで開催された。

 同作は戦争の中で翻弄される男女を主人公とする物語。悲劇的でありながら喜劇的・笑劇的・風刺劇的要素も多く含み、シェイクスピア作品の中でももっとも分類困難な“問題作”といわれるもの。主人公のトロイラスを演じるのは浦井健治。浦井は今年33歳の若さで読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した、いま最も注目を集める存在だ。

 この作品は、会見に登壇したシェイクスピア演劇翻訳の第一人者・小田島雄志氏に言わせると「演出家が一番やりたがる本であり、観客が一番見たくない本」なのだそうだ。それはさまざまな要素を含むゆえに演出家にとっては腕の見せ所であり、観客にとっては最後まで物語の本質をつかみにくくなってしまうからだろう。

 今回、演出を務めるのは日本を代表する演出家で、シェイクスピア作品を多く手掛けてきた鵜山仁。鵜山はこの作品については「たまたまヨーロッパとアジアの境目にある地域のお話。そこでいろいろな価値観が混在して、それがひっくり返ったりという混沌の中から未来の姿が見えてくるのかどうかということが差し迫っての我々の問題でもあるし、その辺にも触れることができたら、と思っている」と語る。これを受け浦井は「“混沌から未来へ”というのがこの作品のテーマなんだろうと思う。僕の演じるトロイラスは結論が出ない中、結局進んでいかなければいけない。現代的で退廃的。いま現在の日本の状況を表しているのかなと漠然と思ったりしている」と語った。

 鵜山と浦井の言葉通りなら、この作品は現代の日本では“腑に落ちる”作品として受け入れられるかもしれない。

 浦井の相手役であるクレシダを演ずるのはソニン。この2人の脇を固めるのは岡本健一、渡辺徹、吉田栄作、江守徹といった面々。杓子定規な“脇を固める”という表現を使うにはちょっと失礼な豪華な俳優たちが揃っている。

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