『cocoon』憧れも、 初戀も、爆撃も、死も。

画像: (撮影・飯田浩一)

(撮影・飯田浩一)

 野田秀樹が芸術監督に就任以降、積極的に次世代の演劇界を牽引する若い才能による作品を上演してきた東京芸術劇場。その中でも2013年に上演されたこの『cocoon』は一際大きな反響を呼び、再演を熱望されてきた。

 作・演出の藤田貴大はマームとジプシーを主宰。2012年に26歳で岸田戯曲賞を受賞。劇団公演以外にも昨年は野田秀樹作の『小指の思い出』の演出を手掛けるなど、現在の演劇界でもっとも注目を集める存在。また演劇以外のアーティストたちとの作品作りにも積極的で、本作もそんな活動のひとつ。

 原作は漫画家・今日マチ子による文化庁メディア芸術祭で審査委員会推薦作品を受賞した作品。沖縄戦に動員された少女たちに想を得て描かれたもの。女学生たちのかしましくも平凡な学生生活が戦争によって否応なしに死と隣り合わせの日常に変わっていくさまが描かれている。

 テーマとしては重いこの作品を藤田は象徴的なシーンを繰り返す「リフレイン」という手法を用い、生々しさや切実さを削ぐことなく、それでいて悲惨な状況の中でも生きようとする少女たちの姿を描ききった。

 初演から2年経った現在、この作品がどのような受け止められ方をするのかも気になるところだ。

【日時】6月27日(土)〜7月12日(日)(開演は19時。2〜5日と8、11日は14時の回あり。※12日は14時開演。30日と6日休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)【料金】全席指定 一般4500円、当日券あり。【問い合わせ】東京芸術劇場ボックスオフィス(TEL:0570-010-296=休館日を除く10〜19時[HP]http://www.geigeki.jp/)【原作】今日マチ子『cocoon』(秋田書店)【作・演出】藤田貴大(マームとジプシー)【音楽】原田郁子【出演】青柳いづみ、菊池明明、青葉市子、小川沙希、花衣、川崎ゆり子、小泉まき、西原ひよ、高田静流、中嶋祥子、難波有、長谷川洋子、伴朱音、吉田聡子、コロスケ、石井亮介、尾野島慎太朗、中島広隆、波佐谷聡/飴屋法水 ※新潟、豊橋、沖縄、山口、相模原にて公演あり。

流山児★事務所『新・殺人狂時代』

画像: 流山児★事務所『新・殺人狂時代』

 流山児祥率いる流山児★事務所は今年7月に創立30周年を迎える。昨年秋から記念公演と銘打って上演を続けてきたが、今回はその第4弾。

 2002年に鐘下辰男が書き下ろし、流山児が演出した『殺人狂時代』では9・11以後のテロの時代に「傭兵たちの叛乱の物語」を描き大きな反響を呼んだ。

 そのスタイルはレジナルド・ローズの『12人の怒れる男』をモチーフとした討論劇。当時議論となっていた問題を生々しく切り取った。2004年には『続——』が作られ、そして今回の『新——』につながってくる。

 今回の舞台は災害に見舞われ、地上への出口は塞がれ、いつ崩壊するとも分からない暗闇に支配された建物の地下。男たちは生還を目指すが、外部と遮断され、内部の状況も把握できない。そんな「ごまかしの効かない」現状で、今とるべき行動とは…。

 設立以来、劇団とか演劇、ひいては日本といった枠にとらわれない活動を繰り広げてきた流山児★事務所は、さまざまな“才能”と作品を作ってきた。今回は自らの劇団チョコレートケーキで硬派な社会派作品を多く手がける演出家・日澤雄介を起用。

 初演から13年が経って、世界はより物騒になり、日本も大きな転換期を迎えつつある。そんななか “演劇”は何を発信し、そして何ができるのか?

【日時】6月24日(水)〜28日(日)(開演は水木19時、金土14時/19時、日14時。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】ザ・スズナリ(下北沢)【料金】全席指定 一般券 前売4000円(当日4,500円)/アンダー25チケット 前売3200円(当日3500円)/高校生以下1000円(前売・当日共)【問い合わせ】流山児★事務所(TEL:03-5272-1785 [HP]http://www.ryuzanji.com/)【作】鐘下辰男【演出】日澤雄介【企画】流山児祥【出演】塩野谷正幸、上田和弘、イワヲ、里美和彦、木暮拓矢、五島三四郎、岡本篤(劇団チョコレートケーキ)、浅井伸治 (劇団チョコレートケーキ)、西條義将(モダンスイマーズ)、白井圭太(温泉ドラゴン)、伊原農(ハイリンド)、佐野陽一(サスペンデッズ)、日下部そう

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