4月からは連続ドラマにレギュラー出演、5月には出演映画が全国公開、そして7月には明石家さんま主演の舞台と、幅広いフィールドで活躍中の中尾明慶。ほかにも「スーパーGTプラス」ではメインMCも務めるマルチぶりも発揮している。そんな超多忙な中尾が芝居や共演者、後輩など仕事のこと、そして妻で女優の仲里依紗と子どもについてなどプライベートな事を語る。また、岡山の人へ熱いメッセージも。

画像1: 撮影・神谷渚

撮影・神谷渚

ネガティブをネガティブで終わらせず、
ネガティブな中に隠れているポジティブを見つけることができるかが大切

—芸歴15年のキャリアを持つ中尾。5月に公開される映画「鏡の中の笑顔たち」では、後輩をさりげなくフォローする、コーヒーショップのマスターを演じている。
「普段はわりと元気なキャラクターを演じることが多いですが、今回の映画では大分落ち着いた役ですね。大人っぽい?まあ、もう27歳ですから(笑)。この映画は北海道でロケをしたんですけど、1日で撮影を終えたんです。出演シーンは結構あったのに、もうギチギチに詰められて(笑)。なのに、セリフを言いながらコーヒーをいれるシーンでは、動作がついていかずコーヒーをドボドボあふれさすというNGを出してしまいました。映画の主演は事務所の後輩の白石隼也だったんですけど、すごく素直な男の子でした。僕ってすごく若い時から役者をやっているので、いつも自分が一番下だと思っていたんです。事務所でも現場でも最年少でしたし。それがここに来て、年下の子と共演することが増えてきて、ちょっと大人になったかなって(笑)。今回も隼也にご飯に連れ行って下さいって言われて、1泊しかない札幌で、2人でご飯食べました。後輩が熱く語っていうのを聞きながら“ちょっとお兄ちゃんになっているんだな、俺も”みたいな(笑)。でも相談されるって相談するよりも辛いですよね。相談するほうが全然ラク。だって僕の一言で救われたり、もしかしたら救われなかったりするじゃないですか。相談する側は、実は答えて欲しいことは大体決まっている。それを的確に言ってあげなければいけないので難しいですよね。でも人生の半分以上俳優をやらせてもらっているので、先輩風は吹かせています(笑)」

—ドラマ、映画、舞台と続きますが。

「基本的になんでもやりたい人なんです。やれることがあるなら、なんでも挑戦していきたい。7月の舞台では、さんまさんとご一緒させていただくので、すごく楽しみです。さんまさんとは2作品目ですが、僕はさんまさんのことを笑いの神様だと思っているので。役者をやる上で、お笑いの勉強というわけではなく、笑いというひとつの感情表現を自分の中に吸収するのって大切だと思うんです。それが学べる環境ですよね、お笑いの方とお仕事をすると。その中でも僕はさんまさんが世界一面白い人だと思っているので、また共演させていただけるのは、非常にうれしいです。『七人ぐらいの兵士』という今回の舞台は、15年前にやったものの再演ですが、公演数も少なく“伝説の舞台”と言われている作品です。それをさんまさんが60歳を迎えて、またやりたいという思いが強くあったみたいで、再演されることになったようです。実は最近、さんまさんとお食事をしたんですけど、その時に“(共演する)生瀬とも話してたんだけど、お前(中尾)ならあの役ができると思ったんだ”って言われて。やる前からできるって言われちゃうとものすごいプレッシャーだけど、そう言っていただけたのはすごくうれしかったし、大きかったですね。ますますいいものにしなきゃと気持ちが引き締まりました」

—さんまと共演した前回の舞台はどんな感じ?

「前回は、初日開けたときが3時間、千秋楽が3時間40分でした(笑)。かなり伸びてるんですけど、決して稽古でしていないことはやらないんです。そこは絶対で、そこを本番でガラリと変えることはない。よくどこからどこまでがアドリブなんですかって聞かれるんですけど、基本は全部稽古でやっていることをしています。さんまさんの稽古って1日1回しか通さないんですよ。まず1時間トーク、稽古、1回通す、最後に1時間半トーク(笑)。稽古がそんな感じで5時間ぐらいのパッケージになっている(笑)。でもただトークをしているだけじゃない。みんなの事をすごく観察して、キャラクターに反映させたりしています。僕がさんまさんにちょいちょいタメ口を挟んだりするような役もそんなトークの時に生まれている気がします。稽古ではちょっとでも噛んだら罰金を取られるんじゃないかっていう勢いでさんまさんが見ているので怖いですよ。ほんのちょっとの言い間違えとかもすぐわかるから、おっそろしいなって(笑)。あと、カーテンコールの一言挨拶まで入念にリハーサルしますから。お客さんに拍手をいただいて、お辞儀をしたら、普通はなんとなく素の自分に戻りますよね。そして挨拶の時は、役ではなく俳優として挨拶をするものですが、さんまさんの場合はそうじゃない。“今日はお前のばあちゃんが見に来たことにしろ”とか“今日はお前から俺に何か一言ダメ出ししろ”とか(笑)。それもすごく面白いんですけど」

—4月からは読売テレビ・日本テレビ系の連ドラ『恋愛時代』で主人公の幼なじみ役で出演。主演の満島真之介と比嘉愛未2人の秘密を知るという重要な役どころ。

「ラブストーリーですけど、僕にはまったくラブな部分がない(笑)。ある夫婦が離婚して、でもまだお互い相手のことをすごく思い合っている。ある時、離婚の決断をするようなある出来事が起こるんですけど、僕は旦那の幼馴染で、いろいろとアドバイスをするという役です。僕自身、2013年に結婚して子供が生まれ、そこで感じたことがいろいろあるので、そんな思いみたいなものをちょっとでも出せたらいいなと思いながら日々撮影しています。でも本当はラブしたいですね(笑)。これまでもラブの作品ってほとんどやったことがない(笑)。唯一ちょっとラブかなっていうのが、うちの奥さんと共演した『時をかける少女』ぐらいですね。でもそれもタイムスリップして、昭和の男の子と平成の女の子が恋をするっていうような、純粋なラブストーリーとはちょっと違う感じだったし。そのあとプライベートでラブストーリーに…しちゃいましたね(笑)」

—結婚して子どもが生まれ、夫となり父親となって変わったこと。

「物事の見方がより真剣になりました。それがいい方に出る時と悪い方に出る時があるんですけど、とにかく考え方が変わりました。例えば今回の作品では“死産”っていうワードが出てくるんですけど、そのものに対する捉え方が独身の時とは全然違いますね。そこは監督に、子どもがいるから分かるその言葉の重みというか、自分が感じた思いをブレずに演じていけたらいいなみたいなことはお話させていただきました。結婚はプライベートなことですが、そんな風にものの見方が変わることで、当然演技にも影響してくる。自分に子どもがいると、もちろんそれまでも“死”というものは重く受け止めていましたが、具体的にどのぐらい衝撃なのかは、実感出来ていなかったのかも知れない。いいことも悪いことも人間はいろいろな体験をする。それが、すべて自分の糧となって、演技の幅が広がったり、表現方法が変わってきたりするので、改めて俳優ってすごく楽しい職業だなと思いましたね。こんなプライベートの感情が生きる仕事ってほかにないですよね」

画像2: 撮影・神谷渚

撮影・神谷渚

僕たち若者みんなでこの世の中を良くして息子の世代にバトンを渡してあげたい

—何事もポジティブにとらえ、明るいキャラクターだが、落ち込んだ時はどうやって自分を奮い立たせるのか。

「うーん…、そもそも僕はあまり落ち込まないんですよね。いろいろ考えたり、悩んだりすることもありますが、それでドップリ沈んだりっていうことはないですね。まず、芝居に救われています。芝居をしている時って、それ以外に何も考えていないので、嫌なことを忘れちゃうんです(笑)。あと、例えば仕事で悩んだり切羽詰ったら、マネージャーとかにはっきり言っちゃうので(笑)。衝突とまではいきませんが、もやもやした気分をためると余計ダメだと思うから、それは言う。言って喧嘩になったっていいんです。心に溜め込んで、嫌だ嫌だって思っているより、ぶつかってお互いに気持ちをさらけ出して、そこから這い上がったほうがいい。だって人生っていいことなんか1割あるかないかじゃないですか。ほかは苦しいとか辛いとか、ネガティブになりそうなことが9割だと思うので、それを毎回落ち込んでいたら、どんどん暗い人間になっちゃう気がして。だったら、9割の方がきたと思って挑むと不思議と気が楽になる。そんな楽しいことばかりじゃ面白くないじゃないですか。辛くて苦しいことの多い方が絶対楽しいです(笑)。恋愛もすごくお互い大好きでっていうんも幸せだけど、特に夫婦は喧嘩して仲直りして飯食って、また喧嘩してっていうのが楽しい(笑)。マネージャーさんは大変かもしれないけど(笑)。ネガティブの中にポジティブって隠れているのかも知れないですね。ネガティブをネガティブで終わらせない。ネガティブな中に隠れているポジティブをいかに見つけることができるかが大切なんじゃないかな」

—岡山とは縁があるとか。

「母の生まれが岡山なんです。すぐに兵庫に移っちゃったんですけど、もともとは岡山。あと僕はレースの番組とかもやらせていただいているので、毎年必ず岡山国際サーキットに行きます。4月の初めにも行って、キビ団子と塩ポン酢をお土産に買いました。塩ポン酢、名産なんですよね?違うの? すごく人気みたいで、飛ぶように売れていたから買って帰らななきゃって(笑)」

—岡山で日本を元気にしようと頑張っている人にメッセージをお願いします。

「僕なんかがメッセージなんておこがましくて、逆に地方から日本を元気にしようと頑張ってるなんてすごいなって思っちゃいますけど…。でもひとつあるなら、僕もそうなんですけど、好きなことややりたいことができている時点で勝ちだと思うんです。人生は勝ち負けじゃないけど、好きなことは胸を張ってやり続けているって大事なことだし、それが生きるっていうことだと思う。好きなことなら、嫌なことがあっても受け入れられる。でも好きなことだけできる人って限られるし、そこに飛び込む勇気って結構必要だと思うけど、その勇気は持っていて欲しい。特に僕と同世代の人は絶対になくさないでほしいと思いますね。好きなことに挑戦する勇気を持つことを。どこかのオヤジが“今時の若者は…”とか言うじゃないですか(笑)。でもふざけるんじゃないと。僕らだって僕らなりに一生懸命やっているし、あんたたちの時代を絶対に超えてやるからこんちくしょうって(笑)。僕たち若者みんなでこの世の中を良くして息子の世代にバトンを渡してあげたいから、オヤジ達、よく見ておけよってみんなで言いましょう。でもそれって永遠のテーマですよね。僕、多分オヤジになったら“今の若いものはなってない”って言ってそうだもん(笑)。というか、僕以上に言う人はいないと思うぐらい絶対に言う(笑)。でもそうやって、若い世代で一緒に、いい世の中を作っていきたいですね」

INFORMATION

読売テレビ・日本テレビ「恋愛時代」
毎週木曜、夜11時59分〜
主人公の幼なじみで産婦人科医局員・海江田護役で出演中
【出演】比嘉 愛未、満島 真之介、香椎 由宇、喜多嶋 竜一、佐藤 隆太など

「鏡の中の笑顔たち」
5月30日(土)角川シネマ新宿ほか、全国公開
【出演】白石隼也、夏菜、松下由樹、ミッキー・カーチス、松原智恵子など

「七人ぐらいの兵士」
【東京公演】7月5日(日)〜26日(日)、Bunkamuraシアターコクーン【大阪公演】8月19日(水)〜25日(火)、シアターBRAVA!【出演】明石家さんま、生瀬勝久、内田有紀、山西惇、温水洋一、八十田勇一、森田甘路、須賀健太、中村育二、恵俊彰

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