1月2、3日に開催される「東京箱根間往復大学駅伝競走」、通称「箱根駅伝」。毎年、東京大手町から箱根芦ノ湖まで沿道の観客が途絶えることなく続くだけでなく、テレビでの視聴率も25%を超え、長らく日本中で愛されています。92回大会の今年も、「3代目山の神」として青山学院大学の神野大地選手が注目を集めるなど大きな話題となり、4年生の活躍が目立った青山学院大学が昨年に引き続き連覇を果たしました。関東の大学しか出場できず、知らない学生が「ただ走っている」だけの映像を、日本人はどのように楽しむのでしょうか? 箱根駅伝が日本の正月に果たす役割、そしてその人気の秘密について考えてみました!

日本の正月における箱根駅伝

 先程述べた様に、毎年高い視聴率を記録している箱根駅伝ですが、「箱根駅伝を見ながら、おせち料理を食べたり、親戚と話をして団欒したり…」という視聴者が多いようです。その雰囲気こそが「正月」と感じている日本人もいるでしょう。箱根駅伝を毎年放送している日本テレビの番組広告には、独自のロゴに加えて「ニッポンのお正月。」と記載されており、その役割の一般認識の深さが感じられます。

 テレビ中継でのコース、名所の紹介により、正月に日本らしさを感じることができ、それも人気の要因の一つでしょう。1区スタート付近での皇居(一般参賀が同日行われます)やビル群の様子は「東京」という日本の中心を感じさせ、3区の選手が湘南海岸を富士山の方向に向かって走る姿、景色は非常に美しいものがあります。箱根山中を上り、下る5区・6区は険しい日本の自然をも伝えます。このように、選手が走る姿とともに日本の様々な風景をテレビ中継で感じられるところも箱根駅伝が毎年人気を集める理由の一つです。

画像: 富士山の方向を目指して湘南海岸沿いを走る3区のランナーたち arx.appi.keio.ac.jp

富士山の方向を目指して湘南海岸沿いを走る3区のランナーたち

arx.appi.keio.ac.jp

選手たちが生み出すドラマ

 風景、景色を楽しめるとは言え、主役は走っている学生選手たちです。普段は知りもしない学生たちが走る姿に何故、日本人は感動を覚えるのでしょうか。
 
 まず、一つ目に「自然と立ち向かう姿」です。一人が20㎞の距離を走るだけでなく、急坂を上ったり、下ったり、強い風が吹く中を走ったり…。1月のレースであるため雪が降る年もあります。苦しい環境の中を、学生が顔を歪めながら必死に走る。時に転びそうになりながらも懸命に腕を振って前に進もうとする姿は、人々に「応援しよう」という気持ちを呼び起こします。

 二つ目に、「『襷』が持つ重さ」が挙げられます。駅伝は日本が持つ文化の一つです。他の国では行われることはほとんどありません。国際大会も日本で開催されるもののみです。長距離をチームで繋いでいく、この日本独自のスポーツが日本人の感動を呼びます。特に、毎年のように出る「白襷」には注目が集まります。首位のチームが中継所を通過してから一定時間経過すると、襷を繋ぐことなく、代用の襷をつけて出走しなければなりません。長らく練習を共にしてきた仲間の汗が染み込んだ襷をつけて走ることができないのは非常に心苦しいものです。今大会も、神奈川大学があと数秒のところで襷を最終走者に繋ぐことができず、涙をのんだ姿に多くの駅伝ファンが共感しました。

 一生懸命、仲間を想いながら走る選手の姿に多くの日本人が感動するのです!

さらに箱根駅伝を楽しむために…!

 以上に紹介してきてことで人気の秘密の一部はわかるのではないでしょうか? それに加えて、今回は玄人(?) 駅伝ファンの楽しみ方を、少し紹介します。
 大学駅伝は箱根駅伝だけでなく、「出雲駅伝」「全日本大学駅伝」と合わせて学生三大駅伝と呼ばれます。また、夏には駅伝ではなく、個人の陸上トラック競技も多く行われており、一年中、学生長距離を楽しむことができます。また、箱根駅伝開催前には各出版社から観戦ガイドブックが発売され、各選手のトラック・駅伝記録から、意気込みのコメント、さらには好きな芸能人まで様々なデータが掲載されています。ガイドブックを見ながらどんな選手が走っているのか、などに注目しながら観戦するとさらに魅力が増すでしょう。同じ出身地の選手が走っていることなどが分かると応援もさらに盛り上がります。

画像: 筆者が毎年購入している、ベースボールマガジン社の箱根駅伝ガイドブック。他社からも様々な種類が発売されています。

筆者が毎年購入している、ベースボールマガジン社の箱根駅伝ガイドブック。他社からも様々な種類が発売されています。

 箱根駅伝が日本の正月に人気な理由などについて考えてきました。
 箱根駅伝の創始者、金栗四三の願いは、「世界に通用する長距離ランナーを育てる」ことです。箱根駅伝を走ったランナーが、今年のリオ五輪、さらに東京五輪に出場・活躍すればさらに人気は高まるのではないでしょうか? また、未来の五輪ランナーの走りを見るために箱根駅伝に注目するのも良いのではないのでしょうか?

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