「日本をもう一度元気にする」という意思のもと、運営開始よりまもなく8年が経つ「特定非営利活動法人 鴻鵠塾(こうこくじゅく)」。就職活動生なら一度は名前を耳にしたことがあるだろう。鴻鵠塾は①就職活動向けの勉強会、②地域活性化プロジェクト、③都立高校1年生へのキャリア支援の授業の3つのプロジェクトを軸に活動しているが、世間的には①の難関企業に数多くの学生を内定させる就職活動サポートの側面が知られているようだ。しかし、代表理事の上田圭祐氏(元日本IBM)は四国をはじめとする地域活性化プロジェクトをより重要視していると語った。そこで、今回は①および②に着目して単なる就活塾ではなく、地域活性化プロジェクトまで行う法人の魅力を筆者は取材した。

鴻鵠塾の"就活勉強会"とは?

 月に1回ほど開催している就職活動向けの勉強会では、大手企業や、伸び盛りのベンチャー企業の社員・内定者を招き、「仕事とはどういうものか?」「会社とはどういうところなのか?」「具体的にどんな仕事をするのか?」といった、現場の生の声を伝えている。加えて、大企業の採用担当者から就職活動に対する講義やグループディスカッション、社会人40名以上でのES添削・面接練習などを行っている。上田氏は「鴻鵠塾では人を成長させるのは経験だと考えていますが、ある程度ノウハウがないと行きたい会社にも行けないという現状があって、それを解決するために就職活動の勉強会を開いています。」と語っていたことからも現代の一筋縄ではいかない就職活動の難しさやノウハウ面での重要性も示唆していた。
 筆者はインタビューのみでなく、6日の勉強会に参加者としても参加させて頂いたのだが、鴻鵠塾は"就活how to本"に依存しない実践的な経験を積むことができる場だと感じた。同時に筆者には1つの疑問が生じた。なぜ、こんなにも多くの社会人が無償で協力して頂けているのか?。上田氏によると大半の社会人は仕事現場で「ありがとう」と声をかけられることがないと語る。仕事はできて当たり前、という風潮が蔓延っているためか、そうした環境が日本社会にはあるようだ。しかし、鴻鵠塾のフィールドでは数多くの学生から「ありがとう」の声が参加した社会人に届けられる。メンタル面での癒しというべきか、師弟関係の構築による産物か。いずれにせよ、社会人も満足ができる雰囲気がここにはあった。

画像: 3月6日の勉強会(学生93名、社会人57名、内定者6名が参加) www.facebook.com

3月6日の勉強会(学生93名、社会人57名、内定者6名が参加)

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地域活性化プロジェクトではどんな活動をするのか?

 鴻鵠塾が展開するプロジェクトに「かすがいプロジェクト」と呼ばれるものがある。鎹(かすがい)とは、もともと材木と材木を繋ぎとめるために打ち込む、両端の曲がった大釘を指す。"自らの未来を自ら作り出す"をスローガンとして、首都圏と地方、社会人と学生を繋ぎ合わせ、会議室からリアルな現場へ出て実践型のプロジェクトを実施している。昨年までの4年間、四国にて当プロジェクトを実施していた。四国には新幹線と世界遺産がなく、他県より高齢化社会かつ人口減少のスピード、生活習慣病にかかる割合が高い。一方で農業・林業・漁業といった第一次産業をはじめとする自然の魅力が詰まっている宝島ともいえる。こういった背景から上田氏は"課題先進地域"ともいえる四国にフォーカスし、地域活性化プロジェクトの舵をきった。しかし、主役はあくまで参加する学生のようだ。学生は自ら現地に足を運び、問題提起し、実行までのプロセスを組み立て、実行し、検証する。単なるビジネスコンテストとは異なり実践型の経験を通して俯瞰力と想像力を鍛えるプログラムとなっている。
 中でも当プロジェクトが開始した2012年の徳島での「藍を利用したスイーツの商品開発および販売」は私自身、衝撃を受けた。徳島では藍染文化が古来より根付いており、日本シェアの54%が当地域によるものであるという。第一次産業を体験し、徳島における地域活性化をする上で出した1つの結論がまさかの藍スイーツ(ケーキ、クッキー)なのだ。衣服に使うはずであるとされていた藍を食に利用する斬新な試みだ。近年の研究によると藍はブルーベリー以上に抗酸化力が高いために特定の疾患やちょっとした病気に効果があるという。古来より薬草としても藍は利用され、徳島県では昭和後期より藍の料理会というものが頻繁に開催されていたようだが、現代になってその動きも停滞してしまったようだ。その流れを打破した1つが藍スイーツであろう。地元の強みや特産品に新しい切り口から付加価値をつけてブランディング化させる。その一例が徳島から生まれたと考える。当プロジェクトに参加した学生の"化ける"瞬間はここから始まったとも上田氏は語っていた。その"化ける"瞬間が生まれるという人としての成長も当プロジェクトの魅力だろう。地域活性化プロジェクトは現在は四国のみならず、昨年は鹿児島や新潟も対象に行なったようだ。今後さらなる進化が期待される。

画像: 地域活性化プロジェクト一覧 koukokujyuku.org

地域活性化プロジェクト一覧

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画像: 農業体験の様子 koukokujyuku.org

農業体験の様子

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あとがきとアクション宣言

"鴻鵠塾"という名は史記にある「燕雀いずくんぞ、鴻鵠の志を知らんや」という言葉からつけられてという。燕雀(=ツバメやスズメのような小さな鳥)は、低いところしか飛べないため、森の中を飛んでいても木しか見ることができない。しかし、鴻鵠と呼ばれるコウノトリやツルのような大きな鳥ならば、一段高いところに立って森全体を俯瞰して見ることができる。鴻鵠塾に参加する学生には、就職活動をただ一つのイベントとしてとらえたり、内定を取ることだけを目的とするのではなく、
「なぜ働くか?」「なぜ自分って生きているか?」を熟考して、より高い視点から"自分の人生"を俯瞰的に見れるような、鴻鵠のような視点を持った人に育ってほしいと上田氏は語っていた。これらのことから若者の成長と巣立ちの場所の1つが鴻鵠塾であると筆者は感じた。最後に上田氏の登場になるが、アクション宣言にて、「2020年を目指して日本を元気にしていくために自律型人材を社会に輩出していきます」と強く語った。今後の彼らの動向に注視していきたい。

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