2020年のオリンピック開催に向けて公共交通機関は外国人観光客に合わせた取り組みを進めています。なかでも東京メトロは巨大な路線網を持っており、オリンピック開催期間中は外国人観光客の重要な足となるため、駅改良に熱心です。しかし、「玄関」の掃除ばかりしていても「靴」がみすぼらしいのでは楽しさ半減です。「靴」とは車両のことで、駅で待つ時間より乗車時間の方が長い以上軽視はできません。ところで、東京メトロは様々な私鉄と相互直通運転をしています。つまり、様々な鉄道会社の車両が東京の地下を走っています。そこで今回は2020年でも東京の地下を走っている最古の車両(筆者独自予測)から2020年までに解決すべき(されるであろう)問題点を探してみます!

オリンピック開催時まで走る最古の車両とは?

画像: 東急8500系

東急8500系

 東京オリンピック開催時に最古の車両はこちら、東急電鉄の8500系です。見覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。東急田園都市線、半蔵門線、東武スカイツリーラインで走っています。デザインは40年前のまま。そして現在でも半蔵門線直通用に東急電鉄が用意している編成の半数を占めています。さらにホームドア導入で東急電鉄は手一杯なのでこの旧型車は2020年まで残ると思われます。ぱっと見でわかるかもしれませんが、外国人観光客向けのデザインではないのです。外見だけでも「昭和の香り」(筆者は平成生まれですが)が感じられ、スタイリッシュとは言えない見た目ですが…

問題は車内にあり!

画像: 8500系車内

8500系車内

こちらが車内です。どことなく昔を感じさせませんか。扇風機が付いている車両も今では数少なくなっております。そして問題は、自動放送がない。つまり車内放送が車掌による肉声しかないのです。今では当たり前となった英語による案内がない。オリンピックに向けて英語放送の改良が進むなかこれでは困りますね。

画像: 8500系ドア上部

8500系ドア上部

「いや待てよ、よくドア上に案内の液晶とかあるじゃないか。」そう思われた方々、すいません。ドア上の文字が流れる液晶もないのです。要するにこの車内に英語案内はひとかけらも存在し得ないのです。半蔵門線といえば、大歓楽街渋谷から東京の心臓を通り東京スカイツリー前へ至る観光面からも大事な路線。これは改善していただきたいところです。

東京の歴史に原因あり!

 以上、相互直通運転という日本独自のやり方から生じる問題点を探ってきましたが、この問題の根本には東京という一つの都市に多数の鉄道会社が存在するという世界的に見ても稀な事情があります。(例えば住みやすい都市No.1に選ばれたオーストラリアのメルボルンでは、鉄道・バス・トラム全てPUBLIC TRANSPORT VICTORIAという会社が運営しています。)遡れば「私鉄」という概念は西南戦争で財政難になった明治政府が半民半官で鉄道を敷設しはじめたときに誕生し、東京市の「山手線内に私鉄を入れることはできない!」という要望が東京メトロの前身を生み出したのです。この事情により生じる弊害は数多いです。同じ地下鉄なのに都営と東京メトロで料金体系が異なることや、地下鉄各線にはラインカラーが割り当てられているのに私鉄各社は自社カラーの車両を直通させるため、「半蔵門線は紫のやつだよ」とは説明できない、など。

画像: PUBLIC TRANSPORT VICTORIAのポスター

PUBLIC TRANSPORT VICTORIAのポスター

 現在の入り組んだ鉄道事情は東京という街の歴史を物語っていますが、次の東京史の1ページに、「2020年開催の東京オリンピックをきっかけに鉄道各社が足並みをそろえ、外国人観光客を迎えてくれた」と記したいところです。

画像: 九段下駅にて

九段下駅にて

地下鉄一元化への一歩、「バカの壁」撤廃後の九段下。鉄道事情の未来は明るいだろう。

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