今回は創業70周年目を迎える株式会社コーセーの社長であり、日本化粧品工業連合会会長を務める小林一俊氏に化粧品業界の変遷とKOSEの取り組みについてインタビューさせて頂いた。取材の動機として筆者が大学院で受講した講義の際にヒット化粧品の開発を複数手掛けた同社取締役による方が登壇されたことによるご縁、そしてKOSEが目指す社会への付加価値に強い関心を抱いたことだ。

株式会社コーセーとは?

1946年の創業以来、化粧品をはじめとする美の創造企業として”良心的で優秀な商品の供給”を絶えず行ってきた。「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する」という企業理念のもと、化粧品を通して喜びと安らぎを与え、一人一人の生活が充実したものとなるよう様々なイノベーションを創出している。消費者には雪肌精、コスメデコルテ、ジルスチュアート等が認知されていることだろう。

画像1: 株式会社コーセーとは?
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化粧品業界の変遷と消費者のニーズとは?

〜化粧品業界の変遷について〜
小林社長:『経産省のデータによると近年の国内化粧品市場規模は横ばいです。加えて、チャネル構造(百貨店、専門店、ドラッグストア)の変化により高付加価値商品と低価格商品の二極化が見られます。海外は元々、中価格帯のボリュームが少ないため、特に価格の二極化が見られます。一方で日本の化粧品は中価格帯の商品が多く、顧客ボリューム層が大きいものとなっています。かつて日本はアメリカに次いで世界2位の化粧品大国でありました。これは日本人女性はスキンケアにとりわけ関心があるからです。しかし、近年は中国、ブラジルに抜かれて化粧品大国という括りで見ると世界で4位に転落しています。これだけ聞くと日本の化粧品業界に将来性はないのではないか?と思われるかもしれませんが、異業種の新規参入が多いのも事実であり、逆に「化粧品業界にはまだまだ市場として魅力があるのではないか?」とされているともいえます。化粧品という1つのモノを創る発想でいくとマーケットは大きくならないかもしれませんが、美容・健康・医療という大きな枠組みで捉えることも重要です。広義の意味での化粧品という括りで見ると化粧品業界全体にとっては活性化が促され、こういった新規参入は良いことであります。』

画像: 化粧品業界の変遷と消費者のニーズとは?

〜消費者のニーズについて〜
小林社長:『世の中のニーズを把握することも重要ですが、ニーズの先取りをすることも重要です。つまり、メーカー側からニーズを創りだすことです。1980年代は美白やアンチエイジングがキーワードでした。しかし、現在のキーワードは「肌年齢」、「見た目年齢」。昔と今の40代は全く異なります。例えばサザエさんに出てくるフネさん(52歳)を想像してください。割烹着を着ているというのもありますが、昔の50歳は見た目がおばあちゃんですが、今の50代は全く違います。それは食生活の変化、豊かな生活、ファッション性の向上、そしてなにより化粧品業界が与えた影響も大きいと私は思います。いつまでも健やかで若々しくいるために化粧品は必要とされており、近年では男性においても需要が拡大してきました。』

コーセーとしての使命を感じられたエピソードとは?

小林社長:『2011年の東日本大震災の際のエピソードです。私もすぐに岩手に駆け付けました。岩手にコーセーの販売店があるのですが、被災された販売店様を回ったときに言われた言葉が衝撃的でした。「店も家も流されたけど化粧品の商売だけは絶対続けたい。避難所にいる人に化粧品を届け続けたい。だから商品だけは切らさないでほしい。」と私に懇願してきたのです。この時、改めて女性にとって化粧品がいかに重要なものか?を再認識させられました。食べること、飲むことよりも女性にとって化粧品は重要なものであり、緊急時の際に持ち出す、”財布、携帯、化粧品”が女性にとっての三種の神器と言われるほどです。化粧品があって、初めて外に出られる女性は非常に多いのです。復興の際は多くの芸能人が駆けつけてくれるのですが、化粧品なしでは恥ずかしくて彼らに会いたくても会えないといった声もあるようです。加えて、その震災をきっかけにサプライヤーとの絆、販売店との絆もより一層深まりました。最近でこそ、近年の売り上げの増加はインバウンド効果によるものではないかと言われますが、私はここで培われた絆も最近の好業績の大きな要因だと考えます。』
また、本震災から復興プロジェクトとして「fukushima さくらプロジェクト」も立ち上がっている。

さらに、とりわけKOSEが注力するCSRでの取り組みに8年目を迎えた「SAVE the BLUE」プロジェクトがある。

画像: 雪肌精 SAVE the BLUE 2016 www.youtube.com

雪肌精 SAVE the BLUE 2016

www.youtube.com

KOSEが掲げる未来の経営戦略とアクション宣言

小林社長:『我々は2020年度に向けて”VISION2020”という将来像を策定し、現在は3つあるフェーズのうち2つ目の過程である「グローバルブランド育成期」に差し掛かっております。現在はお客様の嗜好だけでなく、昨今のインバウンド需要に象徴されるよう、お客様そのものも国境を超えて多様化しており、チャネル構造も多様化し、従来の垣根がなくなりつつあることから、これらの垣根を超えたボーダレスな視点が重要だと考えております。今後は、”グローバル×ボーダレス"をテーマに掲げ、化粧品を通じて世の中を明るくしていきたいと思っております。』

画像: www.kose.co.jp
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画像: 小林一俊は2020年を目指して日本を元気にしていくために美のチカラでQOL(クオリティオブライフ)を向上させます!

小林一俊は2020年を目指して日本を元気にしていくために美のチカラでQOL(クオリティオブライフ)を向上させます!

あとがき

一般に化粧品業界は景気の変動が少ないとされている。女性は美にかけるお金は惜しまない文化が国内にはとりわけ根付いているからだ。しかし、化粧品業界は市場規模の横ばい、高付加価値商品と低価格商品の二極化、チャネル構造(百貨店、専門店、ドラッグストア)の変化と急速に進む再編・統合、オムニチャネル、異業種の新規参入(ロート製薬、富士フイルム、サントリー等)、通信販売、ネット販売の普及、インバウンド効果と様々な要因により激動の時代を迎えている。その中でもKOSEは創業者である故 小林孝三郎氏の座右の銘であり、企業精神の根幹であり、コーセー当グループのコンプライアンス経営の要である「正しきことに従う心」を大切に常に化粧品を通して喜びと安らぎを与え、一人一人の生活が充実したものとなるように支援してきた。さらに、サステナブルな社会を実現するためCSR活動にも注力している。創業70周年を記念したCMの中で『きれいの、その先にあるもの』というメッセージがあった。人によってその答えは異なるものであることだろう。しかし、私には小林社長の取材を通して、その答えは普遍的なインサイトにあると考える。全ての女性は「いつまでも健やかに若々しくいたい」と願っている。肌に化粧品を施すことで内面的な心を美しくさせ、自信を持たせることもできる。外面的な美しさのみではなく、”きれいの、その先”には内面的に輝かせられるものが化粧品の醍醐味なのかもしれない。

画像: KOSE|Tokyo Seven Days TVCM 「きれいの、その先」篇 www.youtube.com

KOSE|Tokyo Seven Days TVCM 「きれいの、その先」篇

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