画像: 【インタビュー】山本涼介 × 灯敦生 映画『ニート・ニート・ニート』

【インタビュー】山本涼介 × 灯敦生 映画『ニート・ニート・ニート』

ニート3人とひとりの少女が旅する新しい青春の形
――ジャニーズJr.の安井謙太郎さん、森田美勇人さんとは初共演ですよね。まずは最初の印象から聞かせてください。
山本「撮影はちょうど1年前の夏だったんですけど、顔合わせしたときは、すごく静かだったのは覚えてます。安井くんは最初からみんなを盛り上げようとしてくれていましたが、美勇人くんと敦生ちゃんは静かでしたね」
灯「でも割と早く打ち解けて。美勇人くんと山本くんはすぐ仲良くなった気がする」
山本「同い歳だし、もともと共通の知り合いから美勇人くんのことは聞いてたので。北海道ロケが始まる頃には安井くんとも仲良く話せる雰囲気になっていて、みんなで青春してる感はありましたね。カメラが回ってるときはお芝居をしていますが、北海道は移動時間が長いので、その間は役を一回忘れて、みんなで旅行してるみたいで本当に楽しくて」
灯「私たちが旅する車の中に、スタッフさんがひとりだけ見えないところに乗り込んでいたんですが、車を引きの絵で撮ってるときは声が入らないから、その方と私たち4人でドライブしてる感じになって。風景に感動しながら、「キレイー!」とか「海だー!」とか本気で歓声をあげてました。キツネとかの野生動物も、ホントにいるんだと思って」
山本「道路に“動物飛び出し注意”みたいな標識があったよね」
灯「山本くんたちは、動物のステッカーを買ってたでしょ?」
山本「“熊出没注意”のステッカー(笑)。宗谷岬に行ったときに記念に買って、まだ家に置いてあります」
灯「1年以上前なのに、まだ貼ってないの?」
山本「映画の公開に合わせて、キャリーバックか何かに貼ろうかなと思って」
――山本さんと、安井さん、森田さんは、回想シーンで高校生も演じてましたね。しかも森田さんは、当時は太っていたという設定で、特殊メイクですごくおデブさんになっていて。
山本「最初に見たときは笑いましたが、途中からは見慣れてしまって、その姿が普通になってました。もともと美勇人くんは細いから、真逆な自分を楽しんでましたね(笑)」
灯「おデブの恰好でエアギターとかやってましたよね。私はそのシーンに出てないのですが、ロケバスに乗り込んだときに見知らぬ方が寝てらして、それがどうやら美勇人くんだったらしい(笑)」
――その同級生だった3人が、大人になり、それぞれ問題を抱えることになる。会社を辞めたタカシ(山本)が、レンチ(安井)に誘われて北海道行きのフェリーに乗り、ネクタイを外して甲板から投げ捨てるシーンが印象的でしたが、演技とはいえ、解放される感じはありましたか?
山本「そうですね。ネクタイって社会人の象徴としてつけるものだと思うので、それを取ることで、精神的にも肉体的にも、縛られてることから解放されるというか、演じていても、引っかかってるものがひとつ取れたっていうのは感じました」
――灯さんが印象的だったシーンは?
灯「夜に、車の前でレンチとふたりで話すシーンの虫ですね」
山本「え? 虫?」
灯「あそこだけは監督から、ヒロインぽくしてほしいとオーダーがあったので、女の子らしさが少しでも出たらいいなと思って演じたんですけど、虫がすごかったんですよ。照明機材に集まってきて、腕に止まってくるというか、歩み寄られるというか...。あの感触は忘れられないです」
――しかも大事ないいシーンなのに...ですよね。山本さんは?
山本「僕が印象的だったのは、車のガソリンが切れて、みんなで押してるシーンですね。車を実際に押すなんてなかなかないから、楽しかったし、自分たちの力で車が動いてるのを感じたので、青春してるなって」
灯「乗り込むのがめちゃめちゃ大変だったよね」
山本「坂道で動き出した車のドアを開けて、乗って、いかに早くシートベルトをつけられるか」
――ロードムービーならではのエピソードですね。
山本「宗谷岬もすごく覚えてますね。「最北端」っていう響きがね。一番北まで来ちゃったっていう。小雨が降っていてめちゃめちゃ寒かったけど、そこでみんなで“熊出没注意”のステッカーを買って、僕は“最北端”と描かれたTシャツも買って、めちゃくちゃ満喫してました(笑)」
灯「私はロケの拠点にさせていただいた清水町が思い出深いかな。そこで飲んだ牛乳やヨーグルトが本当に美味しくて。協力して下さった地元の方たちが作って下さった料理を、スタッフさんとキャストと合宿みたいに机を並べて食べてっていう光景をすごく覚えてます」
山本「夜に撮影がない日はみんなでご飯を食べに行ったり、撮影の始まりが遅い日の前の夜は飲みに行ったり。僕らニート3人は温泉が大好きなので、ご飯を食べる間にスーパー銭湯に行って“うぇ~い!”って、北海道中でやってました(笑)」
灯「バスの中でもう調べてましたからね」
山本「ホテルから近いスーパー銭湯を調べるのが毎日の恒例行事でした(笑)」
北海道じゃないと、こんな演技は出来なかった
――映画の内容に触発されて、自分たちの深い話をすることもあったんですか?
山本「敦生ちゃんはした?」
灯「私、したよ。あと、山本くんにも相談したことがありました」
山本「え?」
灯「全然覚えてないでしょ(笑)。私は泣くシーンがあったんだけど、人生で初めてだったので、どのくらい前から気持ちを作るの? って聞いたら、“自分はすんなり入ることが多いから、あんまり作り込むことはしない”って。すんなり言われたから、すんなり忘れるんだろうなって(笑)」
山本「あはは。そんなに考え過ぎてもって思ったのかな。僕は“泣かなきゃいけない”って自分にプレッシャーをかけると逆方向に行っちゃうタイプなので、そんな気にせずにっていう意図で言ったんだと思いますね」
――男3人で深い話は?
山本「アツい話は何もしてないです(笑)。その場はすごい盛り上がりますが、次の日は覚えてないような話ばっかりですもん」
灯「殴り合いをするシーンの前も何も話さなかったの?」
山本「それぞれ気持ちは作ってたと思うけど、共有したのは段取りを確認するとき。そのときのテンションと空気感と流れで、各々が出せるものを出すっていう感じでしたね」
灯「いいですね、体でぶつかってますね」
――映画で描かれていたのは、ニート3人と謎の少女のことですが、今現在仕事に就いて働いている人も、何かのきっかけでそちら側に行くかもしれない。みんな地続きなのだと思うのですが、役者として活躍されているおふたりの中にもそういう要素はあると思えますか?
山本「僕は仕事がなかったらどちらかと言えばインドア派なので、仕事がなかったらヤバイなっていうのはいつも思ってます(笑)。買い物が好きだから外には出るけど、用が済んだらすぐ帰って、基本は家なんですよ。ゲームやったり、録画していたドラマを観たり。何もしなくていいって言われたら、ホントに何もしないと思うので、これは危ないなっていうのはありますね」
灯「私はそれでいったら、止めろって言われるまで寝続ける自信はあります(笑)。何もない休日はずっと寝てることもあるので。脚本業もやっているので、書いてるときは基本家にこもってますし。そうじゃないときは、誘ったり誘われたりで外に出ていくタイプではあるんですけど、ニートと表裏一体みたいな感覚はわかりますね」
――そしてこの映画は終わり方も素敵ですね。すべて解決して、はい終わり、ではない感じがすごくリアルで。
灯「コンセプト自体が、目標がなくても動くっていうことを、もっと認めていいんじゃないっていうところがあるので、そこはすごくいいなって思うんですよ。普通の人から見たら、ただジタバタもがいてるように思うかもしれないですが、それが彼らの青春になってるわけで。“これから目標を持って頑張って行くぞ!”って終わらないエンディングがすごく好きだなと思いました」
山本「目標なんてそんな簡単に見つかるものじゃないと思うし、北海道に行っただけで人間が変わるわけでもないと思うし。それこそがリアルというか、描き方が本当に人間っぽくて、すごく共感できる部分ではありましたね」
灯「北海道っていう土地に4人で行って、過酷さを味わいながら旅をしてっていうのが、一切ウソがない。それが映像にも映ってますよね」
山本「北海道じゃないとこの画は撮れないと思うし、北海道じゃなきゃこういう芝居は出来ないなっていうのがたくさんあって。あとはニート3人とひとりの女の子が、この旅を通してどうなっていくのか。観る方によっていろんな捉え方が出来るのもおもしろいところかなって」
灯「キラキラじゃなくて、埃っぽかったり、牛草の匂いがしてきそうなくらい泥臭さかったりっていうのを、新しい青春の形だねって。親近感を覚えながら見てもらえたらうれしいですね」
(取材・文/幸野敦子)

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