クリスマス直前に飛び込んできた「ライダー映画のネタバレに気をつけて!」というネットニュース。今回は細心の注意を払い一切ネタバレをすることなく、この騒動と「ネタバレ」について書いていきたいと思います。ニュースやネタバレの内容を見る前にと慌てて観てきました。映画自体はやはりとても面白く楽しめたのですが、ネタバレについては、満員の観客たちの反応で「ここか」とわかったのですが「え?これがそんな騒動に?」という感じ。本来のメインターゲットである子供たちも僕と同じ様な反応。例えばこれがシックスセンスのブルースウィルスの件であれば大ごとですが、感覚としてはシン・ゴジラの野村萬斎に近いもの。ファンにはすっげぇ嬉しいが、その背景を知らない人にはなんのこっちゃわからないサプライズだったのです。鑑賞後、騒動自体の経緯を調べてみたところ、ネタバレを投稿した大本がネット上のニュースサイトで、しかも直前のキャンペーンでファン向けに「アカウントをフォローしてね!」とやっておいて、そのアカウントで注意喚起やリンクを挟まずダイレクトにネタバレしてしまった、と。制作サイドが必死に情報を出さずにいたサプライズを、ちょっとキャンペーンに絡んだメディアが公開初日の午前中にネタバレしたとあっては、背景をよく知るファンからすれば大騒動です。が、その制作サイドが隠してきた苦労やライダーシリーズの歴史を知らないコアなファン以外の人間には、このネタバレの「重大性」が理解できなかったところが騒動の根幹にあるのではないかと思われます。例えば「カメラを止めるな」の作品構造に関わるネタバレは先述のシックスセンスと同じ性質で、いわゆる一般メディアにも理解が出来る「隠し事」なので、盗作疑惑の報道があった際も「その根本的な構造」については、オブラートに包んだり核心に迫らない様に配慮するメディアが多く「意外と日本のメディアにも愛があるな」とニュースを見て微笑んでいたものです。しかし、シン・ゴジラの野村萬斎だったらどうでしょう?「早く話題にした方が動員につながるんでは?」と、良かれと思って拡散するメディアもあったのではないでしょうか?当時は、観た観客たちがSNSで驚きを共有し徐々に話題になりその後報道に繋がっていくという理想的な流れだったと記憶しています。どれも犯罪の様な線引きされた悪質さではなく、「空気読めよ!」って話なのが今回の騒動の本質。ネットの普及により広がったメディアと、その楽しみ方自体が多様化したことで、この「空気」が非常に読みづらくなったことが引き金だったのです。誤解を恐れずに言えば仮面ライダーは、いや、特撮は、世界一メジャーなサブカルなのです!元々は子供向けだったものを、徐々にそのお父さんやお母さん、そして大きくなったお友達たちに楽しめるよう、作品のすそ野を広げてきた副次的な作用とも言えるでしょう。メディア側がより繊細に「コアなファン層」について理解することも勿論ですが、こればっかりは、最後まで我が子を守れるのは自分たちだけなので、今後はこのことを教訓により一層、「制作側が情報解禁に対するレギュレーションを詰めていく」ことが必要なのではないかと考えます。時代の変わり目、僕にとっても忘れられない作品になりました。色んな意味で、平成ライダーフォーエバー!<人生相談の宛先はこちら>黒田勇樹に相談したい方はメールにて相談内容をお送りください。メールには「ニックネーム、性別、年齢、ご相談内容」をご記載ください。メールアドレスは「sodan@tokyoheadline.com」になります。
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