画像: 「普通科」高校という枠組みを作り直す【鈴木寛の「2020年への篤行録」第64回】

「普通科」高校という枠組みを作り直す【鈴木寛の「2020年への篤行録」第64回】

唐突に思われるかもしれませんが、私が文科省で大臣補佐官をしていた数年前の段階から、政府内で検討されてきました。特に、林芳正前大臣が座長で私が座長代理を務めた「Society5.0における人材育成に関する大臣懇談会」の報告書でも、高校生320万人の7割超が通う普通科の見直しが盛り込まれました。普通科の7割は文系。AI時代の到来を見据えて、文系と理系の分断を超えていかねばなりません。一方で、地域を支える人材の育成も重要です。
実は地域や現場レベルでは、すでに改革の試みがはじまっています。
東京都では7年前から都立高校改革が進んでいます。首都大学東京など大学と連携した高校教育の充実(高大連携)、オリンピック・パラリンピックのボランティア参画、都独自の英語教材の活用などを進め、今後は、AIやビッグデータを活用するスマートスクール構想の実現も目指しています。これらは、いうまでもなく、国際化、ICT化という社会の変化に応えるものです。
地方では、地元の空き店舗を活用し、生徒自ら運営をしたり、離島の高校に「島留学」として全国から生徒を募集したり、NPO法人等と連携して多文化共生教育を行うといったユニークな活性化策も実施されています。
改革の大きな背景としては、小学校6年、中学校3年、高校3年、そして大学の4年(医学部は6年)へという戦後にできた枠組みが、21世紀の時代の変化にあって、これまで通りの形態でいいのか、見直しを進めてきた一環です。普通科高校も「大学進学の通過点」という現実から、10代後半の貴重な学びの環境としてのポテンシャルをもっと引き出せるはずです。
文科大臣補佐官在任中、大学入試改革に力を入れたのは、高校以下の現場全てが大学受験を念頭に知識偏重、マークシート型人材量産を進めていたからで、ここを変えれば論理的思考力、創造力育成重視に全体の風景が変わっていく、という思いでした。
入試改革で「外堀」を埋めたことで現場の空気は変わりましたが、普通科改革はいよいよ「本丸」です。
(東大・慶応大教授)

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