3匹の柴犬が作品のキモですが、大変だったことは?大西「動物ですからいろいろありましたけど、撮影が進むにつれて、ハプニングとは思わなくなってきましたよね」渋川「そうね。ほぼ全編ハプニングのようなものだから、それが普通みたいな」石本「犬ってこんなものだって3人とも思っていたから、そんなにハプニングだとは思っていなかったけど、唯一じっちゃんが...」大西「ああ。彼女は初めての撮影だったんですよ。だからいわゆるタレント犬として、訓練されていて慣れている子じゃないから、大勢の人に囲まれて固まっていましたね」渋川「そう、じっちゃんは女の子で、男の子のあたるがずーっとじっちゃんを追いかけまわしてお尻の臭いを嗅いでいた(笑)。それが大変でした」石本「それぞれ性格も全然違いましたしね」渋川「あたるは男の子なので、やっぱり男の子っぽいというか...。一番好奇心があって、やんちゃですよね。さちこは、石本さんが犬の扱いに慣れていたというのもありますが、一番言う事を聞く子でしたね。じっちゃんはまだ1歳になっていないので、やはり子どもっぽいところが残っていた。でも、実は大人の部分もあって、芝二郎(佐藤二朗)の飼っている一郎という犬が生後50日ぐらいで、ほかの犬にしつこく遊びをせがむんです。あたるやさちこは、一郎がしつこくすると怒るんですけど、じっちゃんは怒らないで、一郎とずっと遊んであげる。そういうところが一番大人だなって思いましたね」石本「そうそう」渋川「ほかにも、ポチママ(桜井ユキ)のポチは、ほかの犬とは全然仲良くならないし、じっちゃんとさちこもあまり仲良くないし、それぞれに性格があってすごく面白かったですね」3人は都市開発が進む街に引っ越してきた新参者。お互いに名前も職業も知らず、知っているのはそれぞれの柴犬の名前だけ渋川「基本、3人のダベリで、お互い詳しい素性は知らないけど、僕は特に探りを入れるふうでもない。じっちゃんパパは若干、探っている感じは見られますけど」石本「お互い新参者ですからという意識があるので、勝手に理解してくれているだろうなと思っている節はありましたけど、自分は」大西「人間関係を築いていく途中ですよね。だからどこまで突っ込んでいいのかっていうのを、じっちゃんパパは探りながら、距離感を持って接している」石本「犬がいての距離感というか、犬がいなかったら喋らないと思いますよね。こんなおじさんが3人、公園のベンチで(笑)。犬がいるからこそ、話すようになった。犬がいるから、おっさん3人の距離感が心地いいものになっているんじゃないかな」渋川「うん、あたるパパとじっちゃんパパは犬がいなければ会話してないでしょうね(笑)。さちこパパは犬がいなくても話しかけてきそうだけど(笑)」大西「でも、だんだん突っ込んでいったりとか、踏み込んでいったりとかいう展開になっているので、その辺りの3人の距離感の変化もお楽しみかな」ほっこりした作品だが、撮影は大変だったとか。大西「準備の時間もなかったし、スケジュールもかなりタイトだったので、いろいろ考えてやるというより、日々をどう消化するかでした。それを毎日やっているうちに、役がなじんでくるという現場だった気がします」渋川「明日のセリフをどう消化しようとか、あさっての芝居をどう消化しようかというのが、まず先にきましたからね。だって、初めてですもん。セリフが入ってないで現場入るのとか」大西「かなりの分量を毎日覚えるんですよ。それは結構大変でしたよね」渋川「本当に大変でした」大西「あと、季節的に10月の終わりから撮り始めたので、だんだん日照時間が短くなってきて、撮れる時間がどんどんなくなる」渋川「夕方の4時半にはもう撮れなかったですね」大西「だから太陽との追いかけっこで追われているような感じもすごいあったし、意外とハードな現場だったという印象です」渋川「それに犬も何回も同じ事もできないし、飽きてしまうから。だから、こっちもセリフを間違えたらどうしようっていう気持ちもあるし、結構キツかったですね」石本「うちのマネジャーに“2人に迷惑かけるな”って言われましたから、飲みに行きましょうとか言いたいんですけど、みんながみんな追われているのが分かっているから、言えなかったですもん」大西「撮影中、一度も飲みに行かなかったね。ランチを1回したぐらい。40日ある撮影で1回も飲みに行かなかったのは初めてかも」石本「でも、僕ら3人が追い詰められている時に、雰囲気を和ませてくれたのは、この3匹ですよね、やっぱり。みんなシンドイけど、現場に来たらそれぞれ自分の犬を散歩させて、おしっこもさせて、そこから撮影に挑むというスタイルを毎回ちゃんとやっていた。役者たちだけじゃなくて、犬と一体にちゃんとやってるなって思って、僕は大好きな現場でしたね」渋川「それは、本当。すごく楽しかった」大西「すっごい大変だったけど、終わってみたらすごい楽しい現場でしたね」そんなまったりドラマがなんと映画になって、6月14日から劇場公開される。映画版では何か大きな事件が起こる!?石本「大したことは起きないです(笑)」渋川「まあ、大したことは起きないですけど、多少の動きはありますよね(笑)」石本「多少の動き(笑)」渋川「あと、自分が何をやっているのかっていうのが明かされる」大西「でも誰かが死んだりとか、そういうドラマチックな展開はない(笑)」石本「いや、ドラマチックですよ。この3人の中ではドラマチックなんですけど、普通の人が見たら全然かも」大西「公園を出ますしね」渋川「出る出る(笑)」石本「ほとんど公園でやっているんですけど、そこから飛び出しますから。けど、その飛び出し方のレベルが低い。学生さんとかがみたら、このおっさんたち、そんな事で何盛り上がってるのって?って言われるレベルです(笑)。でもそこが憎めないというか、愛らしい部分でもありますよね。あと各々がほかの人をどう見ているかが多少分かるかも。じっちゃんパパはあたるパパの事をそういうふうに見ていたのか...とか、さちこパパはじっちゃんパパの事をそう思っているんだとか」渋川「それまで仕事の話も一切なかったですからね。ちょっとずついろんな事が明かされる?! かも知れません」どんな事が明かされるかちょっとだけヒントを...。大西「じっちゃんパパが徐々に暴走します(笑)」石本「最高ですよね、大西さん」渋川「それは多分、大西がやっていったことを監督が面白がって、キャラクターができていったので...」石本「唯一、このドラマの映画のスピンオフがあるとしたら、じっちゃんパパですよね(笑)。じっちゃんパパのスピンオフ見たい!って思うぐらい止まらなかった(笑)」
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