今からちょうど4年前、オーストラリア・メルボルンでは少し珍しいことが起きていた。4年に一度行われるサッカーアジア杯と、テニスの全豪オープンという2つのビッグイベントの日程が奇跡的に重なったのだ。しかも会場は道路を挟んでほぼ斜向かい。僕はこの時、サッカーをメインにオーストラリアを巡っている最中で、予選リーグ第3戦が行われるメルボルンを訪れてからはテニスとサッカーの会場を行き来する日々を送っていた。この珍妙な光景に居合わせることが出来た僕はラッキーだった。この写真は少なくとも、もう2つの偶然が重なって撮れた一枚だ。まず一つは、とても地味ではあるがサッカー日本代表の試合と時間帯が被らなかったこと。そしてもう一つは、お目当ての選手、つまり錦織圭の試合が良い時間帯に行われたことだ。テニスの試合時間はその日にならないと分からない。朝イチもあれば深夜近くになることもある。その時々で異なる顔の写真が撮れるのだが、その中でも僕は太陽が低くなる時間の撮影が好きだ。ボールを強打するその度に、フェルトの繊維が逆光に輝く。ハードなスポーツの中にあって、異質なくらい美しい光景が広がるその時間は、いつまでも撮っていたいと思わせるプライムタイムだった。■カメラマンプロフィル撮影:長田洋平1986年、東京出身。かに座。早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。今年の目標は英語習得とボルダリング5級。
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