画像: 稲垣吾郎「間違っていなかった“これまで”と、見えないからこそ楽しみな“これから”。」

稲垣吾郎「間違っていなかった“これまで”と、見えないからこそ楽しみな“これから”。」

SNSのコメントを読むと一人ひとりと密につながっている気がする
「今しかできないことに挑戦させていただいた1年でした」と2018年を振り返る稲垣吾郎。手掛けた主演映画と主演舞台4作品以上。まさに怒とうの日々だったのでは。
「確かに忙しくはありましたが、舞台なら舞台、映画なら映画と基本的に1作品ごとに集中して取り組むことができたので心の中は穏やかでしたし、充実して非常にいい1年だったと思います。確かにプライベートで趣味にかける時間はほとんどありませんでしたが、遊ぶことはいつでもできますからね(笑)。でも、求められたことに応えていくのが僕らの仕事ですし、お仕事をたくさんいただいたならできる限りそれに応え、求められた場所で自分を表現していくということをこれまでもやってきましたからね。何より映画も舞台も好きなことですから本当に楽しかった。それを4本も挑戦させていただいて。厳密にいうと映画3本と舞台2本かな、そう思うと確かにけっこうな仕事量ですね(笑)」
SNSなどを通して応援の声も日々、稲垣の元へ届く。
「僕らがSNSを始めて1年。番組を機に何の知識もないところからツイッターやインスタを始めて、今ではリアルに皆さんの声を受け止めることができるようになり、こちらの言葉もすぐに発信することができる。なんで今までやっていなかったのかな、と思うくらい(笑)。もちろんこれまでも応援してくださる声を感じていましたし、気持ちの上では通じ合っているつもりでいました。でもネットでは1対1で向き合えるので、一人ひとりのコメントを読んでいるとファンの方とすごく密につながっている気がするんです」
そんな声に力をもらいながら主演作品に次々と挑戦。最新主演作は『人類資金』『北のカナリアたち』の阪本順治監督作『半世界』。とある地方都市を舞台に、人生の半ばに差し掛かった40代の男たちの日々を描きながら“友への思い”や“家族とのすれ違い”、そして“自分の人生はこれで良かったのか”という誰もが感じたことのある思いが織り込まれる作品。
「ずっと、映画をもっとやりたいと思っていました。長く映画評や映画コメントをやらせていただいたり年間100本以上の作品を見てきましたけど、一番やりたいのは映画に出ることだったんです(笑)。しかも阪本監督はずっと一緒にお仕事をしてみたかった方で、そんな監督から使ってみたいと思っていただいたのは本当に光栄でした。阪本監督はじっくり物を作っていく、本作の主人公さながら。まさに“映画職人”ですね。今回は三重県で、普段の環境から離れで合宿のような環境で、それぞれの職人さんたちと座組を組んで、阪本組として一緒にやれたというのは本当に貴重な経験でした。ドラマやバラエティー収録のようなテレビならではのエネルギーとはまた別の世界があるんだ、と改めて感じることができました。僕はじっくり物を作っていくのが好きなので居心地が良かった。じっくり作るってぜいたくなことですけど、芸術を作るのに時間をかける作品があっていいんだと改めて気づかせてくれた現場でした」
“土の匂いのする男”に共感。「僕の中にも同じ部分はある」
本作で稲垣が演じているのは、父から継いだ山の中の焼き窯で備長炭を黙々と作る炭焼き職人・高村紘。“土の匂いのする男”を稲垣に演じてもらいたいという監督の思い通り、地方都市に生きる40代の職人をリアルに体現。使い古したゴム長にベストとニット帽という、普段のファッショナブルさからはかけ離れた姿を披露しているが...。
「自分でも、そんなに違和感は無かったかな。確かに全然、僕の趣味ではないですけど(笑)。あくまで役者として演じていますしね。リアルさが必要な役でしたから、その場の空気感になじんでいないといけないと思っていました。映画を見たときにそこがちゃんとハマっていたので安心しました。阪本監督の力ですよね。あと実は、紘の衣装はその辺にあるようなものを着ているように見えて衣装さんがとてもこだわって作っていらっしゃるんです。古着をうまくつなぎ合わせたり、あえてクラッシュ加工のようなものにしたり。あのニット帽も衣装合わせで10個くらい被って選んだもの。紘の緑のベストは実はビンテージものらしいですよ。ただおじさんぽいものを着てるわけじゃないんです(笑)」
そんな衣装はもちろんだが、何より紘の内面を稲垣はとらえていた。
「確かに僕自身のイメージとは全然離れていますよね。でもどこかに共感があったんです。自分もこの場所でこういう暮らしをしていたら同じようになるんじゃないかな、と思ったんです。自分がいっぱいいっぱいで息子のことに気が回らなくなってしまうのも分からなくはないな、と。決して自分とかけ離れた人物ではないと思っているんです。もちろんイメージや見た目はまったく違いますけど、自分の中にも紘のような部分はあるということは、演じていて感じました。僕だって年齢的に中学生くらいの子供がいても余裕でおかしくないわけですから。父親である自分なんて想像しづらいですけど...たぶんダメ親父でしょう(笑)。子供との接し方が下手だし。舞台『No.9 −不滅の旋律−』で共演している子役の山崎雄大くんと、最近ようやく普通にしゃべれるようになったんです、初演のころから一緒にやっているんですけど(笑)。子供って、あまりにも美しい生き物すぎて、どう接したらいいか分からなくなるときがあるんですよね」
そんな繊細さが、息子・明に深く接することができない紘の姿に生きたのかもしれない。
「もともと僕は人前に立つことが苦手な子供でしたし、ましてや表舞台に立つなんて大嫌いだった。競争も嫌いだったし、目立つことも嫌い、人に見られることも嫌いだし。なぜこの仕事をしているのかいまだに分からない(笑)。人と群れるのが苦手だったから部活にも入っていなくて。中学で部活に入っていないのは僕だけでした。それくらい変わり者だったから、親としては喜んで芸能界に捧げますよね(笑)。おかげで社会性も培われたと思いますし、一方で僕の神経質なところを生かすこともできているのかな、と思います」
紘と似た部分を感じる、という稲垣。もし紘が“スター稲垣吾郎”と遭遇したら...?
「ロケで訪れたりってことですよね(笑)。紘だったら遠くで見ているだけなんじゃないかな。絶対に近くに寄って行ったり声をかけたりはしないと思います。シャイな人だしミーハーな人でもない。何より急に人に心を開く人でもないし。ただ、どこか1カ所でも心のスイッチが入ったら打ち解けるし、面倒見も良かったりすると思うんです。幼なじみの2人に対するようにね。そういうところは僕も似たところがあるかな。作家さんでも、主人公と対話するように書いていくという方がいらっしゃると聞きますが、そういう視点も役作りのヒントになりそうですね。自分自身と役との対話。面白いかも」
2019年の稲垣吾郎は「どんな水槽でも泳げる」俳優に!?
2019年早々、主演映画で注目を集め、今後の活躍にもさらなる期待がかかる。
「後々振り返ってみても2018年は間違いなく僕にとってターニングポイントでした。こんなふうにやっていけるとは想像もしていなかったし、ファンの皆さんがこんなに付いてきてくれるとは思わなかった。僕自身が、そんなに人に必要とされているとは思っていなかったんです(笑)。これまでずっと個よりもグループのほうが大事でした。それだけ大きなグループでしたし、社会的な影響力もあり、求めてくださる方もたくさんいて。震災などいろいろなことが起きたときも、グループで被災地に行くなど支援活動をさせていただき、喜んでくださる人がいることも実感しました。そのたびに、このチームをずっと輝かせ続けたいと思い、全力を注いできたつもりです。もちろん個別の仕事も多々ありましたが、グループとしての責任感はどこか常に感じていましたから。そこから今、新しい地図としての活動はありつつ、主体は1人の表現者になった。もちろん不安なこともありますが今、本当に楽しいと胸を張って言うことができます」
人生半ばに差し掛かった紘たちは自分の“これまで”と“これから”に向き合うことになるのだが...。
「僕は後悔していることは何もないんです。もちろん、あの時こうしていればよかったなと思うことは僕にもあるし、選択を間違ったこともたくさんあります。でも違うほうを選んでいたら今、良かったと思うことも無かったかもしれない。だから僕は何も間違ってなかったんだと思っています。今の自分がいいと思っているし、幸せだから。間違った選択をした心当たりもあるけれど、結果オーライというか、でもそれで良かったと思っています。失敗して人に迷惑をかけたこともあるので偉そうなことは言えませんが」
人生は完璧に思い描いた通りにはならないし、そのほうが面白い、と稲垣。だから人は、再スタートすることができる。
「この仕事が、人や世間から求められて存在できるものだということがまずありますし、僕自身、人から求められる俳優になりたいと思っています。だから世の中に身をゆだねていくというか。別に革命を起こすつもりもないですし。こうして新しい地図として再出発させていただいたことで、大胆な再スタートをきったなと思われた方もいらっしゃると思います。でもそんな僕本人が一番楽しいと言えているので、僕らの挑戦が少しでも誰かの勇気につながればうれしいですね」
長年、悪役などの難しい役どころにも挑戦し、映画を愛してきた素養を持つだけに“映画俳優・稲垣吾郎”のさらなる活躍も楽しみ。
「需要のある俳優になりたいと思っています。“これができる俳優”より“これをやらせたい俳優”と思ってもらいたい。やっぱり人に使いたいと思ってもらえる役者になりたいんです。僕はけっこう順応性があるほうだと思います。個性が強いようでいて実は意外と、どんな水槽でも泳げるタイプなんです(笑)」
(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)

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