画像: 代々木公園スタジアム建設構想のその後【渋谷未来デザイン 金山淳吾理事インタビュー(上)】

代々木公園スタジアム建設構想のその後【渋谷未来デザイン 金山淳吾理事インタビュー(上)】

「2020年にしっかりと東京に申し入れできるように材料を揃えていきたい」
そもそも渋谷未来デザインとは?
「お役所仕事って、だいたい構想に1年、議会を通すのに1年、予算を取るのに1年という感じで3~4年かけてモノを動かしていくことが多いのですが、区長、副区長に民間企業出身者のお二人が登用されてから“もっと速いスピードで動かせるような街づくりのシンクタンクを作れないか”ということになって、2年くらいの構想期間を経て、昨年4月に立ち上がったのが渋谷未来デザインです」
昨年9月に発表したスタジアム構想では「2027年までにスタジアムがあれば」と言っていた。今現在の感触は?
「まだまだ感触をつかめるところまでもいっていません。渋谷区は今大規模な再開発をやっているんですが、駅周辺が今年から来年にいったんできあがってきて、その後、桜ケ丘が段階的にできてくる。一通りの完成形が2027年にできるので、そのころに最後のピースとして代々木公園も完成してくれればいいなという考えがあって、2027年という目標を掲げているんです。なのでそこに至るまではまだまだ案件開発段階だと思っています。代々木公園は国有地で都立の公園なので、住所は渋谷区でも渋谷区だけで開発できるわけではない。そうすると渋谷区が一体となって、“代々木公園にこういう施設が欲しい。こういう機能が欲しい”ということを一つの意見としてまとめていかなければいけない。それは渋谷区だけではなく、都民がそういうことを求めているんじゃないかということを明らかにして、東京都に都の案件としてプロジェクトを立ててもらうところまでもっていかないといけないと思っています。そこにはまだ全然至れていないんじゃないかと思います」
いつまでに東京都に上げるといったロードマップは?
「いま東京の関心事は2020年のオリンピック・パラリンピックだと思うんですが、それが終わった後に、“じゃあ次の東京はなにを成し遂げていくんだ”と言うときの一つのイシューにしたいと思っているので、2020年にしっかりと東京に申し入れできるように材料を揃えていきたいと思っています」
現区長の長谷部氏は改革的でアグレッシブ。こういった動きに前向きな印象があるが、万が一、長谷部氏が落選するとか国政進出といったことがあり、区長が代わった時、次の区長の熱意とか前向きさによってこの構想が左右されてしまうのではという不安などは?
「いろいろなシナリオがあって読めないところはあるんですが、そういう可能性はゼロではないとは思ってます。でも、少なくとも区長とか区議会議員というのは区民の代表。僕らがいまやっているのは、区長や区議会議員による政治家主導の開発ではなくて、区民主導でプロジェクトをリードしていけないかということ。だから渋谷未来デザインでは“産官学民の共同で渋谷の街の未来をデザインしていく”ということを掲げているんですけど、その中でも民の声というものを大きく集めて、“区民が欲しいといっている”ということをちゃんと伝えて、区民の意志に応える区長や区議会議員が次の選挙で生まれてくるような流れにしたいとは思っているんです。区民がいらないといっているのに、作りたいと言って出馬する人もいないだろうし、逆に区民が欲しいといっているのに、いらないという政治家もそう多くはないと思うんです。当然いろいろな角度から検証しなければいけないんですが、そういう流れを作りたいと思っているので、区長が変わろうが変わるまいが、このプロジェクトは区民の総意として進めていくべきものなのか、そうじゃないものなのか、というところをジャッジしながらやっていきたい。そういう意味では渋谷未来デザインも“スタジアムを絶対に作りたい”と思っているというよりは、“あったほうがいいんじゃないか?”という一つの有望なシナリオとして掲げている。どうしても作らないといけないということで動いているプロジェクトではないと、少なくとも僕はとらえています」
過去3回のクロストークでは「あまり意外な反対の意見は出ていない」
過去3回のクロストークでのディスカッションの中で反対とは言わないまでも、もろ手を挙げて賛成というわけではない人もいた。そういう意見は想定内だった?
「代々木公園で静かに過ごしたい、子供なんて来てほしくないと思っているユーザー、陸上のトラックを使っている陸上愛好家、バスケットコートでバスケットを、フットサルコートでフットサルをやっている人、といったそれぞれの目線のいろいろな意見があるだろうなとは思っていました。代々木公園というとA地区、B地区、それから国立代々木競技場の敷地、行政でいうと国立のエリアと都立の公園、都立の公園の中でもパブリックなスペース、イベントを受け入れられるスペース、イベントがダメなスペースというように区画が分かれているんですが、利用者はそういった細かい区別はなかなか分からない。利用者目線で考えると、これまであった機能がなくなると反対が出るだろうこと、それに対してはどこまでだったら許容範囲なんだろうかということは想定していました。例えば、バスケットコートのエリアも含めて開発をしないとスタジアムは立たないと思うんですけど、バスケットコートをどこかに移設することになった時に、隣のA地区だったら道を一本渡るだけなのでそこの導線ができればいいかもしれないけど、バスケットコートは笹塚に用意しました、となると、それは反対の意見が出るだろうなということは想定していたので、あまり意外な反対の意見は出ていないですね。開発案件なので、自然を守りますよといっても、プロセスの中ではそこにトラックががんがん入って、コンクリートで基礎を作ってということはどうしても発生するので、そういうことに関しては環境破壊行為だという声もあるだろうなとは思っていたんですが、それも思っていたよりは少なかったかなとは思います」
では新たに持ち上がった問題は特になく?
「そのスタジアムがある日常というのは実際どういうことになるのかというところはまだ見えていないと思います。例えば駅のトラフィックはどれくらい混むのか、それが恒常的にどうなっていくのか、イベントをやった時の騒音とか振動はどうなるのかとか。その辺は僕らもまだスタディできていないところがある。それをスタディしたところで公開して、周辺の住民や働いている方がどう思うのかということは聞いていかないといけないとは思います。騒音や振動については、許せる施設とそうでない施設があると思うんです。そういう基準をどう持てるのかとか。そういうことを考えていかないといけないと思うんですよね。面白い話として、よく分からないロックバンドの騒音は嫌だけど、ポール・マッカートニーのライブだったらいいという話があったり、音楽イベントだと70デシベルでの規制がかかるんだけど、花火だと200デシベルくらいでもみんなが喜ぶという話があったりする。どういうコンセプトで、どういうテーマで、どういうルールの中で何を掲げていくのかというのは難しいですよね。日本武道館なんかは周りに住宅はないが、聖地になっていて、本当は誰でも借りられるんだけど、あそこでやれるというのは選ばれた感があるじゃないですか。そういう精神をどう醸成できるか。だから僕たちもコンセプトで“情熱の聖地を”と言っていますが、とにかく単なるお金儲けの興行だけではなくて、ここでやったことが次のステージに上がる一つのプライドになっていくような場所になるといいなと思っていて、それを自分たちの街の真ん中で見られることが市民のプライドになっていければいいなと思っているんです」 (本紙・本吉英人)

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