画像: 不可思「格闘技でワクワクできることを探していきたい」

不可思「格闘技でワクワクできることを探していきたい」

帰命無量寿如来 南無不可思議光・・・救いを得て、生きる喜びにたどり着いた親鸞はその感謝を信心として正信偈に記した。不可思議光とは、阿弥陀仏の人知の及ばない智慧を意味する別名だ。そんな、言葉では表現しえない宇宙的な力を意味するリングネームを持つファイター、不可思。浄土真宗大谷派の寺に生まれ、僧侶の父がその名を与えた。
「本名も“ふかし”なのですが、“深”と書きます。由来は(リングネームと)同じだと思いますが、最近、この“深”という漢字をあてた意味も聞いたんですけど...忘れちゃった(笑)」
文字通り、Wonderな試合で観客を魅了し、数々のベルトを獲得。27歳の今、「格闘技が好きで楽しい」という原点に立ち戻り、新たに2019年4月、K-1参戦を発表した。そして6月30日、両国国技館で開催される「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN〜K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント〜」で佐々木大蔵と対戦する。
「REBELS、RISE、KNOCK OUTでベルトを獲って、“これでK-1のベルトも獲ったら、そんな奴は1人もいないし、他の誰にも、武尊にもできない、自分にしかできないことだ”というのがK-1参戦の決め手です。今は試合に向けてワクワクがどんどん高まっている状態。K-1の65kgという階級で僕を軸にしたストーリーをみんなが想像するようなアツい試合をしたいです。K-1に新しい波を起こしたいですね」
「KNOCK OUTのベルトを獲った後は、リスクを抑えて戦うことも大事だと考えすぎてしまって。周りからも“迷いがある”と言われたり、それがお客さんにも伝わってしまっている気もして。試合の時は余計なことは考えないで思い切りぶつけているだけだったのに、それが単純に楽しくないし、試合にアツさがなくなってしまった。一周回ってと言うのか、考えなきゃいけないと思ってやったことには手応えはあったけど、どこかで逆にマイナスになってしまって。これは選手によるとは思うのですが、僕にとっては、これまでに獲得してきたものは捨てて本能に任せて思い切り楽しんでやることが一番いいパフォーマンスにつながるし、お客さんにとっても“楽しい”と思える試合を見せられる。最近そういう大事なことに気づくことができました。一回、自分の原点というか、始めた頃の気持ちに戻ってみることが必要なんじゃないかなと思って」
始めた頃の気持ち、格闘技の魅力というのはどういうところですか。
「お互いに殴り合う・蹴り合う・倒し合うというギリギリの、アドレナリンが出るところですかね。それが僕は最初に楽しいと思ったこと。これは他のスポーツと違うところです。ちょっともらうくらいの方が面白いんですよね。もらってしまうと、もっと燃えるというか。ただ、もらう=悪いことなので、なくそうと思った結果、いいところもなくしてしまった状態なので、もう、自分のいいところをとことん尖らせる作業にしよう、と」
K-1には外敵として乗り込む
「参戦を喜んでくれているファンの方が多くて、それは素直にうれしいですね。自分自身が思い切り爆発できるような、気持ちをぶつけた試合をすれば、歓迎してくれている人もそうでない人も、どっちも盛り上がってくれると思うので、何か伝わるものがあるような試合を見せたいです。K-1はこれまで会場で何度か見ていますが、華やかで、お客さんの熱もあって、“自分もここで戦ってみたいな”と思える魅力的な舞台だとはずっと思っていました。K-1という名称はみんな知っているじゃないですか。『キックボクシング』と言うより『K-1』と言ったほうが伝わる人もいるくらいで、やはり特別ですよね。対戦相手の佐々木大蔵選手とは対照的な構図になっていて、面白いと思います。彼はアツい感じじゃないけどそんな彼を試合で飲み込んでやらないとダメだなと。今後は、日本人だとやっぱり安保瑠輝也選手と試合ができたら、試合内容だけではなく彼との対戦ということで面白い作品ができそうだなと思っています」
リングに上がることを「作品」としてとらえている
「スポーツでもあるけれど、ある意味アートに近い部分があるというか。野球とかサッカーもそうですが、見ている人の感情が揺さぶられないといけないと思うので。お客さんが見たいのは単純に勝敗ではなくて、“興奮したい”とか“好きな選手が負けて悲しい”とか、感情が動くから格闘技が好きなんだと思うんです。だから試合だけじゃなく、試合も含めた前後のストーリーもあると思うし、それが、ひとつの作品というか、アートだと考えています。そして、やっぱりそれをやる側が一番楽しんでいるという熱量がないと、いい作品にはならないので、わがままなのかもしれませんが対戦相手を提示されたときに“よっしゃ、やってやる”と燃えるのが一番ですよね。例えば瑠輝也選手だったら自然とそうなるんです。熱を感じるので。本能的なモチベーションやアツさは、作ろうとしてなるものではなく、勝手に生まれるというか」
武尊選手が活躍しているということも影響?
「そうですね。武尊からずっと刺激をもらってるので。“いつか同じ舞台でできたら面白いね”という感じでは話していました。階級も違うので武尊とやるわけじゃないけど、一緒に盛り上げていくというのもワクワクのポイントで、それを面白いと自分が思えたというのもありますね。ちょうどいま武尊は怪我して休んでいるから、その間に食ってやろうっていうか(笑)。ただアイツみたいなポジションには自分は全然なれないというか、キャラクターが違うので代わりはできないですけど。だから自分は自分でK-1の中心に行ってやろうと思っています」
もともと々はサッカー少年だったとか。格闘家になったきっかけは?
「小学生の頃から空手とサッカーをやっていました。サッカーのために中学を選んだほど頑張っていたのですが、ボールをもらったら誰にもパスせず行っちゃうタイプのFWで(笑)集団競技が合わないと気づいて。それで中3から始めたキックボクシングは“自分がやったことが全部自分に返ってくる”ということにハマりました。高校では部活に入らずアマチュアでキックボクシングをやっていたけど周りも遊んでいたので、フラフラしてしまって。あるとき、夏頃に先生に“せっかく格闘技というものがあるのだからもっと真剣にやってみたら”と、遠回しに退学を勧められて。確かに“このまま高校に行っていても良くない”とも思いましたし、格闘技があるのだから、母もタイ人で“タイは本場だから向こうでやってみるか”くらいのノリで高校中退して働いてお金を貯めて、タイのゲオサムリットジムに行くことに。どこでもよかったので、もともと現地の伯母が紹介してくれたのはもっと田舎のジムだったのですが、そこで“ゲオサムリットのほうがいいよ”と言われたんです。そこにたまたま後から武尊も来た」
退学を勧告した先生は現在のご活躍をご存じなのでしょうか。
「分からない(笑)。きっかけをくれた先生なんで、テレビとかで見ててくれたらうれしいですけどね」
タイ人のお母さん、日本のお寺のご住職のお父さんの間でどんなふうに育ったのでしょう。
「両親の出会いは、“親父やるなあ”と思うんですけど、タイのカフェで、親父がカネ払わずに帰ろうとするのを“ちょっと待って”と止めたのが、そこでバイトしてた母で。親父が惚れて通いつめて、帰国後は手紙でやり取り。その3回目に日本に呼ばれて母が来てみたら結婚式が用意されてたらしいんです(笑)。いまだに“騙された。親戚が集っていてかわいそうだから結婚してあげた”と言っていますよ(笑)。そういう親父だったり仏教とかが自分自身のものの考え方に影響したりということはないですけど、親父自身、もともと代々お寺だったわけでもなくて割と好きに生きてる感じで、放任主義。高校やめるときも何も言わなかったですし。好き放題やらせてくれてるおかげで、今の自分があります。寺を継いでほしいとは人に言ったりもしているようですが、僕に対しては『“やらなくてはいけないから”では門弟さんに失礼だから、やりたくなったらやればいい』と言ってくれています。定年がある職業でもないので、親父が元気なうちはまだ考えなくていいかなと。二人必要なほど大きい寺でもないので」
得度をしているので不可思選手は、お坊さんではあるのですよね?
「お経をあげに回ったりは以前からしています。僕の後で親父が行くと“今日は若様じゃないの?”と言われちゃうらしいですよ(笑)」
不可思選手も結婚してお子さんも。ご両親のようなドラマティックなエピソードが?
「全然。中1からずっと、その間にいろいろありながらも(微笑)付き合っていて、なかなかキッカケがなくて。上京する時に一緒に来るというので“じゃあ籍入れちゃう?”みたいな。真面目に格闘技をやる意味でもプラスですし家庭があることで、遊びを“ほどほど”にセーブできる(笑)。洗濯とか皿洗いとか家事もかなり手伝っているほうですし、試合の後は家族でゆっくり出かけたり、家庭ではポイントを稼ぐ堅実な戦い方をしてますね。遊んでどんどん減っちゃうので(笑)。ただ、格闘技は好きで勝手にやってることなんで、もちろん、やっているからには結果は出さなきゃいけないけど、それは“家族のため”ではないんです。格闘技だけでは家族を食わせられないという時期は、好きなことやっててそれじゃ向こうの親に合わせる顔がない。なので正社員として勤めていました。それも1年くらいで、格闘技一本でやっていけるようになった。でも、格闘技は自分のためにやってることであって、たまたまそれで家族が生活できてラッキーという感じです。だから、たまにそういう人もいるけど僕は家族をリングに上がらせたり、舞台上で子どもを抱いたりってことをしたいとは全く思わない。見に来てほしいという気持ちはありますけど。格闘家は安定とは程遠いですから先のことを考えすぎても仕方ないと思っていますが、嫁は僕のことも考えて家計を見てくれていて。僕は“何とかなる、死ななければいい”と楽観的な感じです」
会見では蝶ネクタイ姿も。ルックスやファッションも注目されています。ファッションのこだわりは?
「全身無地でシンプルにしたり派手な柄モノを取り入れてみたり、両方好きなので気分で変えています。好きな服があるとそればっかり着てしまいますね。飽きっぽい性格ですけどハマると、なんでも長続きするんです。コーデは家でよく“このほうが受けがいい”とか的確なアドバイスをもらって、蝶ネクタイも“いいんじゃない?”って。やっぱり海外の選手はすごくオシャレですよね。みんながカチッとしてても面白くないからスーツでも“オシャレだな”と思ってもらえる雰囲気を出したいです。ファッションとか別の切り口で自分に興味を持った人が格闘技を見てくれるようになったらいいですよね」
オフの過ごし方は?
「趣味らしいは趣味は映画鑑賞くらいですね、映画館にはひとりでもよく行きますし、子供が生まれる前は嫁と、週イチくらいのペースで通ったり。ここ数年のベスト1は『インターステラー』!ストーリーの構成力がすごいです。音楽はHip Hopが好きで、クラブに行って踊ったりするのも好きなので、そこではEDMでもなんでも、楽しければいいという感じ。酒も飲みますし。そういう軽いノリも自分だし、パパの顔も自分。その両面が、“自分”なんです。家族がいるからって落ち着きたくはないし。男子たるもの“モテたい”ですしね。好きな女性のタイプはエキゾチックなキレイ系。背が高くて胸も大きい子がいい。一番好きなサイズは、Gカップですね。痩せてて巨乳って最高じゃないですか。あとお尻もパッと見で“スクワットしてるな”という、鍛えたハリのある大きなお尻が好き。そんな女性に囲まれた“スター”に憧れますね。もちろん何もしないですけど(笑)、これもモチベーションのひとつです。でも、同性から認めてもらえるのもうれしいですよね。例えば武尊を見てて、ここ一番というところでハズさないアイツはカッコいいというか、スゲーな、と思います。向こうは...どうかな、僕をカッコいいとは思ってないでしょうね(笑)」
火の鳥 不可思(ふかし)
福岡県遠賀郡出身。1991年6月17日生まれ。クロスポイント吉祥寺所属。2008年8月プロデビュー。KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者、WPMF日本スーパーライト級王者、第4代RISEライト級王者、初代Bigbangライト級王者、元REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者。戦績は51戦37勝(14KO)12敗2分。Twitterアカウント:@FUKASHI19

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