画像: サラリーマンは辛苦な稼業と来たもんだ『セミ』【著者】ショーン・タン

サラリーマンは辛苦な稼業と来たもんだ『セミ』【著者】ショーン・タン

セミ おはなし する。
よい おはなし。
かんたんな おはなし。
ニンゲンにも
わかる おはなし。(帯文より)
どんよりした灰色の壁と床が囲む、まるで要塞のようなオフィス。そこら中に散らばった書類の間隙を縫うように、しわだらけのスーツ姿で一匹の「セミ」が立ち尽くしている。言い知れぬ不穏な気持ちを抑え読み進めると、どうやら彼はある会社で、勤続年数17年を数えるサラリーマンだという。どんなに理不尽な目に遭おうとも、不平不満を言わず真面目にコツコツと、ニンゲンの分まで仕事をこなす。時折「トゥクトゥクトゥク!」と声にならない声をあげながら......。
大人向け絵本作品『アライバル』や『ロスト・シング』など、独自の世界観を緻密な絵と構成で表現し、世界中に熱狂的なファンを持つショーン・タン。5年ぶりの最新刊は擬人化された「セミ」を主人公に、一サラリーマンの日常の悲哀をつぶさに描く。セミの仲間には、いわゆる「素数ゼミ」と呼ばれ、周期的に大量発生する種類が存在する。そうした大量のセミたちにも、地中にいる間はこのような悲喜こもごもの世界があるのだろうか。
物語の終盤、いよいよ「セミ」は定年を迎え、旅立ちの準備をはじめる。フランツ・カフカ作『変身』の主人公・ザムザ氏は悲劇の結末を迎えたが、本作の主人公である「セミ」の衝撃的な展開、そして奥付に添えられた日本人にはなじみ深い俳句が静かな余韻を残す。
なお現在、東京・練馬区のちひろ美術館にて日本初の大規模個展「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」も開催中だ(7月28日まで)。会場には絵本作品の原画や資料、映像などのほか、作家が本作のために制作した「セミ」のフィギュアなど立体作品も展示されている。
【著者】ショーン・タン
【訳者】岸本佐知子
【判型】A4変型/32頁
【価格】本体1800円+税
【発行】株式会社河出書房新社
【特設サイト】http://web.kawade.co.jp/special/cicada/

www.tokyoheadline.com

This article is a sponsored article by
''.