画像: 「AIを生かした人間性ある社会を、データセキュリティーで支える」EAGLYS株式会社・今林広樹

「AIを生かした人間性ある社会を、データセキュリティーで支える」EAGLYS株式会社・今林広樹

データを暗号化したまま処理できる“秘密計算”という技術とAIによる〈SecureAIエンジン〉の研究開発・提供を行うEAGLYSの今林広樹さん。脳科学をベースにデータサイエンティストとして活動するなかで直面したのは、これからの情報社会に解決しなくてはならない、世界的な課題だった。
データを暗号化して情報のやり取りができる時代を築く“AIモンスター”
「AIを生かした人間性ある社会を、データセキュリティーで支える」
「自分の持つデータを相手のサービスで処理したい場合、自分のデータを相手に渡さないといけないわけですが、この技術を使えばデータを受け取った相手がそのデータを見ずに作業することができます。これが当たり前になれば、さまざまなサービスを利用するときも自分の情報を見せずに済むようになるんです」
もともとは脳科学を学んでいた今林さん。
「脳科学をリアルな脳ではなくコンピューターで研究してみたくてAIを勉強し始め、その現場を見てみたいとシリコンバレーに行きデータサイエンティストとして働いたんです。そのとき、金融系の案件でデータを渡してもらえないという経験をし、極秘情報だからという理由でデータを扱えずデータサイエンスが生かされないのはもったいない、と思った。それで今度は、その課題を解決するための技術を研究しようと、日本に戻ってデータセキュリティーの研究をしたんです」
一見、興味のある分野へ次々と“転身”したようにも見えるが...。
「生物から理工に専攻を変えたときは親からすごく反対されましたね。僕の中ではちゃんとつながっていて理由があったので、なぜ反対されるのかさっぱり分からなかったんですが(笑)。自分の中にベースがあるから、新たなアプローチをして新しい道を開きたい。それには同じ分野に留まるより別の視点が必要だと思ったんです。AIは人工知能と呼ばれますが僕は、AIは人間の脳を模したものだとは思っていません。例えば人間の脳は“ノイズ”を生かして機能性を生むんですが、人工知能はノイズを省いて鮮明にして計算するもの。脳科学をやってきたからこそ、そういう違いを意識した視点が持てているんだと思います。両親も、僕が“AIモンスター”と新聞で取り上げられると、納得して起業支援もしてくれました(笑)。結局、自分を信じるしかない、ということですね」
研究者として成果を重ねていた今林さんが起業を選んだ理由とは。
「実際、途中までは研究者としてやっていこうかなという気持ちもありました。研究者としての道か、会社を興すか、どちらかだと思っていて。そこで、自分の中で研究を続けるのと起業することの違いは何だろうと考えてみたところ、細かい違いはあれど、本質的には同じじゃないかな、と思ったんです。研究者も、国や企業からファンドとして資金を得てプロジェクトを回していく。学生をスタッフとして抱えて育てながら活用していく。成果を論文や知財にして企業、社会に提供する。そのプロセスは会社をやっていくのと同じことで、要はアカデミアに属しているか民間に属しているか。では何が違うのかというと、アカデミアはいろんな仮説を立てて考えていくことができるけど、ビジネスではその仮説が実課題でなければならない。解いていてどちらが楽しいかと思ったとき、自分の場合は、リアルの問題を解決しないと、何のために研究や開発をしているのかモヤモヤしてくると思ったんです」
起業を決意すると、最初は個人事業主からスタート。
「起業やビジネス面で知らないことも多かったので、まず個人事業主から始めたのが結果的に良かったな、と。自分の知見をどうやってお金に換えるか、いかにバリューを高めて単価を上げられるかといったことをしっかり考えることができたし、ビジネスとしてのイメージをしっかり作ることができた。8カ月くらい個人事業主として受託などをし、その年末、思いを込めて1年の最後の受理日に届けに行きました」
誰もがフェアな状況で取引できる社会を目指したい、と語る。
「情報格差を利用したビジネスは、本当のビジネスではないのでは、と思うんです。お互いが同じ目線で相手のバリューを理解し合ってつながることができれば、情報格差によるさまざまな損失も軽くなっていく。人工知能が広まることで、人間性をベースにした社会になっていくのでは、というのが僕の仮説なんです。AIが社会に浸透するにはデータセキュリティーが必要。そのためにもセキュアクラウドの構築を進めていきたいと思っています。AI分野への注目やお金も集まりやすくなってきています。今後、若いベンチャーによる新たな技術、サービスを社会がもっと注目して生かしていくようになればいいなと思いますね」
今林 広樹(いまばやし ひろき)
早稲田大学理工学術院卒。同大学院在学中に、米国シリコンバレーにてデータサイエンティストとして従事。企業側のデータ取り扱い事情により、データ活用に制限があることに課題感を持ち、データセキュリティーがAI時代の社会的課題になると直感。帰国後、同大学院にて秘密計算の論文執筆や国際発表を行い、本専攻賞を受賞、同時に博士課程に飛び級進学。2016年、EAGLYS株式会社を創業。2017年、大手経済新聞紙の朝刊一面にて「AIモンスター」として紹介される。
Company Profile
EAGLYS株式会社
【所在地】渋谷区 代々木1−55−14 内海ビル3F
【URL】 https://eaglys.co.jp/
【設立】2016年12月
【資本金】1億1725万円
【事業内容】企業のデータ資産活用を促進することを目的に、秘密計算・AI技術の研究開発、およびデータを暗号化した状態でAI・データ分析が可能なセキュアなデータ解析プラットフォーム「DataArmor(データアーマー)」の提供を行う。TechSirius2019、未来2019ロボット・AI・IoT部門にて最優秀賞、世界的イベントICT SPRING EUROPE 2019 サイバーセキュリティセクションにて優勝。
【起業をする人・考える人への応援メッセージ】
自分が素晴らしいと思えるモノをもち、根拠なき不安は無視し、志に素直になったとき、私は起業を決断できました。想いを心に描き、言葉にしたときに、実行することができました。事業を立ち上げるプロセスには苦しみや痛みもありましたが、今となってはすべて人生の糧になっています。事業にするのは大変だとは思いますが、志もった仲間が日本にもっと増えればいいなと思います。

www.tokyoheadline.com

This article is a sponsored article by
''.