画像: 人工知能研究者・黒川伊保子が教える 「だって」「でも」「どうせ」......Dの音は“ブレーキの言葉”

人工知能研究者・黒川伊保子が教える 「だって」「でも」「どうせ」......Dの音は“ブレーキの言葉”

“~になりたい”――。女性が思う“Be”の部分にフォーカスを当て、さまざまな立場の女性ゲストを招き、仕事や育児、ライフスタイルなどについてクロストークを展開するTBSラジオの新番組「Be Style(ビースタイル)」。
Nagatacho GRiD[永田町グリッド]にて公開収録された今回の放送は、MCを務める菊池亜希子さんとともに、今やコメンテーターとしても引っ張りだこの感性リサーチ代表取締役社長・黒川伊保子さんが登場。
人工知能研究にたどり着いた“まさか”の理由、男女の会話の違い、ことばの扱い方にいたるまで、縦横無尽に語った。
脳科学、AI研究、ことばの感性......多様な知見に照らし合わせ「男性脳」と「女性脳」を解き明かし、 「妻のトリセツ」(講談社+α新書)、「女の機嫌の直し方」(集英社インターナショナル新書)といった話題作を次々に世に送り出す黒川伊保子さん。今や、ベストセラー作家やコメンテーターとして認知している人も多いかもしれないけど、本業は人工知能研究者。さまざまな分野で活躍するスーパーウーマンにもかかわらず、なんと「志があって何かをしたことはないんです」と衝撃の言葉を口にする。
「もともと私は大学時代、理学部物理学科で宇宙創生の研究をしていて、志があるとすれば宇宙の謎を解明したかったんですね。ずっと続けてきて、ある一つのことに気が付いたんです......宇宙創生の謎を解いても、ご飯は食べられないって(笑)」
宇宙を解明する前に、人生を解き明かしてしまった黒川さんは、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリに就職する。しかし、待ち構えていたのは、縁もゆかりもない人工知能(AI)についての研究だった。
「私は物理学を専門にしていたため、就職したはいいものの、できない子の筆頭でした。何もできないから、当時は35年先の技術なんて呼ばれていた人工知能(AI)の研究室に飛ばされた(笑)。しかも、私が研究を始めた1983年は、日本におけるAI元年と言われている年で、先輩のような存在もいませんでした。最先端の技術をいろいろと研究する機会に恵まれるも、四苦八苦の毎日。配属されてから8年目となる1991年、当時はAIという言葉はなかったのですが、今の言葉で言うと“世界初の日本語対話型女性AI”を稼働させることに成功するまで長い道のりでした」
人生とは何が起こるか分からない。そして、人の得手不得手も、やってみないと分からない。宇宙の研究をしていた黒川さんは、畑の異なるAIの分野で世界初を生み出してしまったのだ。そして、このときの研究が、「女性脳」と「男性脳」の違いに関心を持つきっかけになったと振り返る。
「発注仕様書に、35歳の美人女性と書いてあったんですよ。美人である必要があるのかなどなどツッコミどころはありますが(苦笑)、女性らしい話し方、すなわち“たおやかさ”を持たせるには、どういう言い回しにすることが必要なのか考えました。実際には、文字のやり取りなので、現代のAIのように喋るわけではなかったのですが、言葉のキャッチボールをする上で、女性らしさを掘り下げないといけなかったんですね。すると、男性と女性ではまったく脳の使い方が違うことが分かったんです」
例えば、共感。「南青山にある〇〇のケーキ美味しいよね?」と聞かれたとき、女性は「〇〇のケーキ? △△通りにある?」という具合に、共感を覚えさせるようなワンクッションを導入しがち。そう返されると、聞いた本人も「そうそう! あそこのケーキ!」と、気持ちよく話を続けられる。黒川さんは、そういったワンクッションを人工知能に搭載させるなどして、日本語対話型女性AIを誕生させたという。AIを稼働させるために研究してきた女性脳と男性脳の違いが、 「妻のトリセツ」などのベストセラーにつながっているとは目からウロコだろう。
言葉が持つ語感と距離感を使い分ける
人工知能研究の際に培われたノウハウは、「ことば」の感性、「語感分析」としても発揮されている。今年6月に上梓した「ことばのトリセツ」は、28年にも及ぶ研究成果をギュッと凝縮した一冊だ。
「言葉が持つ語感と距離感って大事なんです。「感謝します」は丁寧ではあるけど、距離感を作ってしまいます。一方、「ありがとう」は親愛の情がスッと入ってきます。立場の関係性を考えながら言葉を選ぶ必要があるんですね。謝るときも、「申し訳ございません」の方が丁寧に聞こえるかもしれませんが、即座に「すいません!」と謝った方が良いときもあります。「申し訳ございません」は、もったりした語感なので、すばやい対処を望んでいるときにはイラッとされる可能性がある」
また、「Dの音はブレーキの言葉」という指摘も面白い。
「だって、でも、どうせ、だから......こういった言葉は、ブレーキをかけるための言葉。私は、会議では絶対に使わないで、と伝えています。口にした瞬間に、そこにいる人の気持ちが下がってしまいます。ただし、気がはやっている人を止めるブレーキという意味も持ちます。どぅどぅのDではないですが(笑)、前のめりになっている人に対して、「でも」と口にして対案を出すときなどは有効ですね」
散々話をした後に、「で?(D)」と言われるのも腹が立つ! 「で?」も当然、良くないですよね!? ブレーキどころの騒ぎじゃないでしょ!
「“で?”だけで終わらすのは良くないですね(笑)。逆に言えば、“で?”の後に何を言うかで劇的に変わる。例えば......これは男性全員にぜひとも覚えてほしいことばのトリセツですが、奥さんや彼女が要領を得ないままひたすら何かを話していたとする。おそらく女性は話したいだけだから、男性は関心がわかない。ある程度聞いたと思ったら、魔法の言葉「で、君はどう思ったの?」と、女性に投げかけてみてください。驚くほど、スムーズに会話を終わらせることができますから!」
さすが、ことばと妻のトリセツをひも解いた黒川先生。たしかに、「で、君はどう思ったの?」と聞かれたら、なぜ自分は無駄に熱を上げて話しまくっていたのか、どうでも良くなってきそうだもの。
「対話って二つある」。そう黒川さんは続ける。
「一つは、心を吐き出す会話。これは、自分自身のプロセス開析をしているような状態です。誰かが心を語っているときは、共感をしてあげることで、答えが見つかりやすくなる。「〇〇さんってひどいと思わない? だいたいさ~」というような愚痴交じりの話だったとしても、「そうだね。あなたも大変だったね。よくやったよ」と共感することで、「でも、自分も至らなかったところがあったと思う。最初のアプローチを間違えたのかな」という具合に、焦点が顕在化しやすくなる。
もう一つが、事実だけを聞き出す会話。先の会話で言うと。「〇〇さんってひどいと思わない? 私は傷ついた」という心の部分の文脈を無視して、「(結局)何が起こったの?」といきなり的を絞るケース」
女性は、心を許す相手の場合、ほぼ前者の会話を求めている一方、「男性はほぼ100%、後者の会話を選択してしまう」と黒川さん。ただ、男性は愛しているほど、事実文脈が早く、「キミはこういうところがあるから直した方がいい」と指摘しがちだとも説明する。心配だからこそ、早く要点を知りたいというわけ。
「男性って、責任のない相手にこそ優しくするんです(笑)。厳しいことを伝えたくなるような愛情の深い相手じゃないから、指摘を急がない。男性って厄介ですよね~。でも、それが男性と女性の心の溝に発展していく。言葉って、ものすご~く奥が深いんです。すれ違いを生まないためにも、言葉の取り扱いに注意を払ってくださいね」
【番組INFO】
アクティブオーガニック「Be」presents「BeStyle」は、TBSラジオで、毎週土曜午前5時30分~6時にオンエア。radikoでも聴取可。詳しくはHPを参照。
https://www.tbsradio.jp/be/
また、当日の模様は、以下のYoutube「Be Style」チャンネルからも視聴可能。
あなたの「なりたい」が見つかるかも――。
https://youtu.be/o-sOUOsh-oc
https://youtu.be/_3fVdXh6Bao

www.tokyoheadline.com

This article is a sponsored article by
''.