香港は九龍に、今は無き伝説のスラム街があった。その名も「九龍城塞」、香港へ流れ着いた移民たちが築き上げたスラム城塞だ。廃墟好きやさまざまな写真家たちも魅せられたそのスラムは今はもう香港には存在せず、その跡地付近では現在、日々デモ活動が行われている。そんな九龍城を模して作られたアミューズメントパークが神奈川県・川崎市に存在する。それが「ウェアハウス川崎店」、だった。しかし、ウェアハウス川崎店は突然、閉店の知らせをSNSに投下した。日本で九龍城を拝めるのは11月17日までだ。これは、駆け込みで行ってみるしかない。JR川崎駅から徒歩10分、そこに「電脳九龍城」がウェアハウス川崎の付近には、正直あまり何もない。お腹が空いている人は駅前で腹ごしらえを済ませてから向かうことをおすすめする。さて、駅から南に10分ほど歩くと「電脳九龍城」、ウェアハウス川崎にたどり着く。周囲の落ち着いた雰囲気からは少々浮いて見えるが、スラム城塞ならではの退廃感だ。重苦しく開いた扉の先には、香港のスラムの町並みが広がる。駐車場につながる方へ行くと、スラム感ともちょっと違う、ファンタジーなフォトジェニックスポットを見つけた。自撮りでアイコンショットを撮る外国人観光客も多い様子だ。九龍の町並みや暮らしぶりも忠実に再現!さらに上階に進むと、本当に人が住んでいるのでは?と錯覚させるほどの生活感を感じるスラムの町並みが広がる。人一人住めるか微妙なほど小さい部屋が折り重なって上に伸びていった先には洗濯物まで干してある。レトロゲームのコーナーの端には、一瞬本物かと思うほどリアルな鶏肉料理を売る屋台も。屋台の中に入ることが出来るので、ここでも写真撮影を楽しめる。あまりにリアルな町並みからは、私たち日本人は知り得ない移民たちの生活ぶりを想像させる。香港で起こるデモの根本は、香港が植民地として栄えてきたからこそ起こっていると思うと、ただ「写真映えする」ということ以上に考えることもある。奇妙な日本語やシュールな空間がネット映え!ウェアハウス川崎店はアミューズメントセンターなので、各階にはゲーム機やプリクラ、クレーンゲームが並ぶ。都会的で新しいゲーム機やクレーンゲームの中に、絶妙なニュアンスで「スラム感」が混ざり込む。柱には中国語で書かれた怪しい薬や病院の広告たちが、今にも破けそうな勢いで貼ってあるし、クレーンゲームには「中国感」がすごいリアルすぎる誤字の日本語が。この新旧混ざりあったシュールさは九龍城ではなく「電脳九龍城」ならではのものだ。ネットやカルチャー好きな人間には堪らない良さがある。アミューズメントパークでありながら、「九龍城映え」という一つのジャンルを確率したウェアハウス川崎の功績は偉大だ。しかし、そんな電脳九龍城をその目におさめることができるのも、11月が最後。ゲームセンターの上階にはボーリングやダーツが楽しめる階や、ネット・漫画喫茶の階もある。家族で来てもそれぞれの階で楽しむことができるし、お一人さまでゆっくり漫画喫茶に入ってしまうのもアリなので、意外と休日をゆっくり過ごすこともできる。週末の予定が決まっていないなら、せっかくなら閉店前に一度遊びに行ってみてほしい。(取材と文・ミクニシオリ)■ウェアハウス川崎 電脳九龍城砦(Twitter):https://twitter.com/warekawasaki■店舗情報:https://www.warehousenet.jp/store/storeinfo.php?id=210アミューズメントパークウェアハウス川崎店【住所】神奈川県川崎市川崎区日進町3-7 JR川崎駅より徒歩10分
This article is a sponsored article by ''.