画像: 日本の農業の未来を見すえ、産地の流通改革を。菊池紳(たべもの株式会社 創業者)

日本の農業の未来を見すえ、産地の流通改革を。菊池紳(たべもの株式会社 創業者)

産地と都市をつなぎ、ニーズをマッチングさせる流通・物流プラットフォーム「SEND」を開発し注目を集めたプラネット・テーブル創業者・菊池紳さん。そして今、さらに挑む生産地の出荷・物流を救う新たなビジネスとは。
「農業を持続可能にするための仕組みづくりを」
「投資ファンドで働いていた29歳のときに 山形の祖母から農家を継いでくれないかと相談されたんです。それで農業を継ぐことを考え、1年半ほど山形や各地に通い週末農業のようなことをやっているうちに、いろいろな課題が見えてきた。作物を育てることは楽しい。でも収益や後継のことを考えると苦しい。生産者の複雑な気持ち、すなわち日本の田舎を理解していく期間でもありました」
生産者と都市のニーズをマッチングさせる流通・物流プラットフォーム「SEND」を軌道に乗せた菊池さんは、5年を経てさらに農業の現場に切り込むことを決意。
「ソーシャルグッドの観点から言うと生産者支援が重要視されがちですが、僕は本当のサステナビリティーを重視しています。SENDで産地と都市の作り手をつなげることができましたが、そもそも産地が抱えている問題をどうにかしないと日本の農業に未来はありません。 農業離脱のペースがかなり早くて、生産者は激減。一方で世界全体の消費は増えている。現にトマトや小麦やトウモロコシの国際相場は右肩上がりが続いています。このままいくと世界的に供給が足りなくなるのは目に見えているんです。先端情報と接続するだけじゃなく今のボリュームゾーン、普通の人たちが普通に食べる部分の改革を今やらないと手遅れになる、と僕は思っています。そこで新たな会社で立ち上げたのが〈ハレルヤ〉というサービスです。今、多くの産地では働き手不足に加えて高齢化が進んだり、 近隣の集荷場が統廃合されたりして、直売所に持っていくことすら大変になってしまった農家さんが少なくない。そこで、産地からの“ファースト1マイル”をサポートすべく、作物をピックアップに来てくれるピッカーさんを配置し、買い取って拠点に集め、それを流通させていくという仕組みを作りました。基本的に全量買い取り、農家さんはどんな種類の野菜でも出荷することができ、よい品質の野菜は買取価格も上がります。地元の若手や、農業に興味があって移住した方などがピッカーさんとして働いていて、コミュニティー参加にもひと役買っているようです。また、僕が作った仕組みは基本的に20 ~50代をターゲットにしているんですが、この世代の人たちが続いていけば高齢な方は畑の見回りや指導的役割に回ることができる」
この仕組みは、労働力のサポートだけでなく流通の問題点にも一石を投じる。
「指定作物は皆が作るのでどうしても供給がダブつくことがある。すると流通の段階で調整するので、そこで大量の廃棄野菜が出る場合があります。最低価格を崩さないよう産地で廃棄するという政策すらあります。では指定野菜以外のもの、値崩れしていないこれから需要のあるものを作ろうとしても、指定野菜以外を流通させるのは難しい。畑ごとに向き不向きがあるので指定野菜を作りにくかったり、需要のある野菜をもっと作りたいと思っている人がいても、流通に乗せられないとなれば指定野菜を作るしかないですよね。どの国でも農業は基本、保護主義ですけど、持続可能にしていくためには、適地適作で作りたい野菜を作り、自由に流通させることができる仕組みも必要だと思います。一方で消費者側でも、ほうれん草がないなら小松菜でいいよね、というオルタナティブな意識が必要。なければあるものを使う。それがかえって多様性を生む。農業離脱を食い止め、各段階でロスをなくせば農作物が足りなくなる状況を回避できるはずです。これは日本だけじゃなく世界でも起こっていることなので、日本でこの問題を解決できれば、似たような気候のアジアの途上国にモデルケースとして持っていけると思っています」
SDGs意識の高まりとともに、社会課題と向き合うビジネスを志す人も増えている。SDGsを意識しての起業におけるアドバイスは。
「社会課題に向き合う仕事は、普通の起業よりスイッチングコストが高くつくということを覚悟したほうがいいと思います。 あと『北風と太陽』の物語じゃないですけど、こうしなきゃダメ!というスタンスではなく、この方向に行くことが心地よいんだよという伝え方ができるコミュニケーション能力やデザイン力が大事になると思います」
起業家データ
【起業時の年齢】起業時(3社目):39歳
【起業時の資本金】非公開
【起業後の収入の変化】初月から売り上げがあるので、50万程度
【座右の銘】「人は考えたように生きなければならない、そうでないと、生きたように考えてしまう by ブールジュ」
ある1日のスケジュール
6時 起床
7時半 家を出る。カフェで情報収集
9時半 オフィスへ
18時半 必ずオフィスを出る
Company Profile
たべものCo.(たべもの株式会社)
【住所】東京都渋谷区渋谷1-23-21 Co-lab渋谷キャスト
【創業】2019年8月1日(創業・菊池紳 共同代表・菊池里紗)
【事業内容】買取・集荷サービス「ハレルヤ」の運営、地域におけるリソース支援 など
『ハレルヤ』【URL】https://hallelu-ya.com/
起業をする人・考える人への応援メッセージ
「こうしなきゃダメ!」ではなく「こうしたほうが気持ちいい」と伝わるSDGsビジネスを

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