画像: 「失敗を糧にできる」若者を育むために日本の社会ができることとは

「失敗を糧にできる」若者を育むために日本の社会ができることとは

「2020年以降の日本の活性化」をテーマに世代や業界を越えて有識者らが集う、東京2020公認プログラム『BEYOND 2020 NEXT Forum -日本を元気に! JAPAN MOVE UP!-』プロジェクトの第4回フォーラムが27日、都内にて開催。
第1部「ピースコミュニケーション -分断をまたぐ架け橋-」に続く第2部では「失敗を糧にする人材の育成 -未来を創る若者たちへ-」と題して、さまざまに入り組む社会にあって未来を担う若者は、どういう思考を備えるべきかを、指導の現場に立つ3人が語り合った。登壇者は、慶應義塾大学、東京大学教授の鈴木寛氏、バブソン大学准教授・山川恭弘氏、フリーアナウンサー、成城大学非常勤講師の永井美奈子氏。ファシリテーターは、早稲田大学グローバル科学知融合研究所所長、早稲田大学理工学術院教授の朝日透教授。
失敗を糧にするというテーマについて、失敗は大切なことだと認識することがまず大事だと言う鈴木氏は「私のゼミでは常に“板挟みと想定外と修羅場に遭え”と言っています。そういった経験をしないと、困難な局面に直面したとき未知なるものと向き合うことができない」と話した。
アメリカ・ボストンにある、起業家教育に特化し世界的評価を得ているバブソン大学で教壇に立つ山川氏は「バブソンでも“心地よい場に成長はない”と教えています。私は大学で“失敗”についての講義を行っており“失敗学の先生”などと呼ばれているのですが(笑)、講義では失敗がなぜ大切かということを生徒たちに伝えています。失敗とは学習の機会、成長する機会になるもの。失敗した場合のほうが気づきは多いんです。ただ、失敗した経験を頭の重しにしてしまうと、どんどん沈んでしまうけれど、成功者はそれを階段にして上っていく。アメリカ人はそうやって失敗を糧に自己を高めていくので、失敗から立て直したことを誇りにする。それが社会の、失敗に対する寛容度にもつながっていると思います」と語った。
「アメリカと日本ではそのあたりがずいぶん違うイメージです」という朝日教授に、山川氏も「GEMレポート(バブソン大学などが共同プロジェクトとして行っている、世界最大級の起業活動調査)によると、失敗の寛容度では日本は統計を取って以来、ずっとワーストなんです。アメリカでは投資家にピッチすると、必ずといっていいほど失敗の経験を聞かれます。そこで、自分はこうして失敗からカムバックして学習した、と話すと起業家としてたくましく見える。でも日本人の多くは、失敗したことを聞くと“うっ”と止まっちゃう人が多い(笑)」。
永井氏は「でもお受験のこともあり、日本の子育てでは、成功体験をどれだけさせるか、ということばかり言われている気がします」。鈴木氏も「その結果、失敗どころか挑戦すらさせてもらえない子供も少なくない」とうなずき、山川氏が「日本は、みんな最初は100点を持っていて、それが減点されていくような感じ。アメリカは逆で最初は0から始まるので、何かしないと点がもらえない。だからチャレンジするんです」と日米の違いを語った。
朝日教授が「自分も子供の親として、いろんなことに挑戦させてあげたいという気持ちはあるが、失敗したら二度とはい上がれないかもしれない社会で、どんどん失敗しろなどと無責任なことは言えない。我々大人がまず社会の環境を変えていかなければならないのでは」と問いかけると、山川氏は「人自身ではなくその行動が失敗だというマインドセットが広まること、そして、人の失敗を社会で共有して再発を防ぐという意識が必要だと思います」。永井氏が「私は生徒たちに大学に入ったらSNSを始めて、炎上も経験して、就職活動のときに全部消すようにと伝えています」と笑いを交えて話すと、鈴木氏は「ネットを見ていると、叩く必要もないことだったり叩いている人のほうが病んでいるのではと思えるケースもある。そういった人は自分が誰かから叩かれているのかもしれない。叩きの悪循環みたいなものがあるとしたら、せめて自分がその連鎖を止めるぞと思う人が増えたら変わるのかも」と語った。
最後に山川氏は「自分のミスを認め、人のミスを許すことができれば社会は大きく変わってくるはず。ただ大切なのは、その失敗は最善を尽くしたうえでの失敗かどうか。最善を尽くしたうえでの失敗なら、それはむしろすばらしいこと」と話し、登壇者たちも大いに納得していた。

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