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【インタビュー】小芝風花「東京で大地震が起こる、その本当の“怖さ”を感じました」

NHKでは12月1日から8日まで“体感 首都直下地震ウイーク”と題して、さまざまな番組が参加し「自分のこと」としての防災・減災の大切さを訴える。その中でNHKスペシャル計7本を集中編成。12月2日から4夜連続で放送されるドラマ『パラレル東京』で主人公の新人アナウンサーを演じた小芝風花が、首都直下地震を“体感”し、困難の中で得たものとは。
「東京のように、多くの人や施設が集まるからこその危険というものがあるんだと実感したときはショックでしたね。首都直下地震の怖さをひしひしと感じました」と振り返る、ドラマ『パラレル東京』主演の小芝風花。
「群衆にパニックが広がると将棋倒しや群衆雪崩が起きて、人が人を圧迫死させてしまうんです。人がパニックになると人そのものが凶器になりうるということに私自身、衝撃を受けました。人だけじゃなく、東京の象徴のような高層ビルやタワーマンションにしても想定を超える事態が起きる可能性はある。人が作った便利なものが、人を苦しめるものになりうるんです。さらに東京にはさまざまな機能が集中しているから、首都直下地震で甚大な被害が出たら日本中に大きな影響が出てしまう。だけど、私を含め多くの人が、東京は大丈夫だろうという意識がどこかしらにあるんじゃないかと思います。だから今回のドラマでは、物語を通して実際に被害に遭われた方々の声も反映しながら、きちんと危機感がリアルに伝わるものを作ろう、とキャストスタッフ全員で意識していました」
ドラマ『パラレル東京』は、12月1日から放送されるNHKスペシャル シリーズ『体感 首都直下地震』(全7回)内にて、4夜連続で放送されるフィクション。30年以内に70%の確率で発生するとされる首都直下地震を、内閣府の被害想定に基づき、そのとき東京で何が起きるかをVFX映像を用いて描写。膨大な被害の情報・映像が集まるテレビ局のニュースセンターを舞台に、巨大地震によって次々と想定外の事態に見舞われる東京の姿を描く。
現実に想定されている被害が次々と起こる物語に「台本を読んでいて恐怖で涙するという初めての経験をしました」と小芝。
「何重にも対策がとられていて、起こるはずはない、と言われていたことや予測していなかったことが次々と起きて、どうしたら助かるのかすっかり分からなくなってしまい、怖くて涙があふれました。台本を読みながらふと窓の外に目をやると東京のキラキラした夜景が見えて、この景色が一変したらどうなるんだろうと思うと、また怖くて。フィクションであるドラマの物語と、30年以内に起こるといわれているリアル、パラレルの世界を行き来しているような感覚に陥りました。読み終わった後、すぐに家族と東京に直下地震が来たら...ということを話し合いました。プレッシャーは感じましたが、災害の多いこの国でこういった作品に携わることは大きな意味があると思い、出演を決意しました」
本作で小芝が演じるのは、消息不明となったメインキャスターの代わりを務める新人アナウンサー倉石美香。
「NHKで毎晩行っている緊急報道の訓練を見学させていただいたんですが、あまりのリアルさに、プレッシャーと恐怖がのしかかってきて泣いてしまったんですよね。でも、訓練を見学させていただいて本当に良かったと思っています。台本を読むのと、実際にアナウンサーの方々が読み上げているのを聞くのとでは、実感するショックもまったく違いましたし、何より報道の現場に携わる方々の、1人でも多くの人を救うんだという熱意を感じて私自身、意識が大きく変わりました」
役作りのため数カ月にわたるアナウンサーレッスンを続け、本作に挑んだ小芝。その迫真の姿が、ドラマにさらなるリアリティーをもたらしている。
「夏ごろからレッスンをだいたい週に1度、2時間ほどNHKの中川緑アナウンサーからマンツーマンで指導していただきました。最初は“次は天気予報です”といったような短い文章から始めて、次に過去の実際のニュース原稿を読む練習をし、その後にドラマで使う原稿を読む練習をしたんですが...本当に難しかったです(笑)」
番組編集長・江口役の高橋克典が「本物のアナウンサーが練習しているのかと思った」と言うほど真に迫っている小芝だが、レッスンで感じた難しさとは。
「まず、原稿を読むときの音の高低が難しかったです。言葉一つにも正しい音がありますし、ニュース原稿では行の頭の音をそろえないといけないといったルールもあるんですが、自分の耳ではなかなか違いが分からなかったり、自分のクセが出てしまったり。最初のうちは“東京”のひと言すら、正しい音をつかむのは大変でした。さらに大事なことが、ニュースの内容を把握して正しく意味を伝えること。どこで区切るか、どこにイントネーションを置くかで、そのニュースで一番伝えたいことが変わってきてしまうので、正しい位置に印をつけなければいけないのですが、これもまた難しくて(笑)。例えば“今日の天気は晴れです”という文なら“晴れ”が一番伝えたいところになるので、そこに印を自分でつけていきます。実際に印をつけるときにアナウンサーが使っている赤青鉛筆も、違和感なく扱えるよう練習しましたね。あと、一番難しかったのが“絵解き”の練習でした。流れている映像を見て“今10人ほど人が見えます”というような、その状況を自分の言葉で伝えるというものなんですが、これが本当に難しいんです。ドラマでも、絵解きでニュースを伝えるシーンがかなり多くて、アドリブもあったりして大変でした」
実際のアナウンサーレッスンも乗り越えた小芝。今後、キャスターに挑戦する可能性も?
「いえ、とてもとても(笑)。演じてみて、実際のアナウンサーがいかに大変か、その一端を知ってしまいましたから。内容を把握して、きちんと聞き取れるように正しく伝えるだけでも大変なのに、読んでいる途中でデスクやインカムからいろいろな指示が入るし、放送の残り時間も把握しないといけないし...。それに緊急報道では、自分の言葉一つで人の命が左右されることだってある。本当にアナウンサーは大変な仕事だと思いました」
正確な情報を伝え続けながらも、ネットで広がるデマやフェイクニュース、真偽不明の未確認情報を前に、大きく揺れる美香たち。
「このドラマでも、情報の扱い方の難しさが描かれています。SNSの情報で救えた命もある一方で、間違った情報が善意の人によって広まって被害を大きくしてしまう。情報を受け取った側も本当に正しい情報かどうか、考えなきゃいけないんだと思いました。ニュース番組では、正確な情報を届けるためアナウンサーだけでなくさまざまな分野に詳しい記者が原稿を作り、ネットをチェックしている人、現場で確認している人など、いろいろな役割の方がチームプレーで報道にあたっています。受け取る側も、そういった正確な情報を知ろうとすることが大事だと思いました」
日ごろから災害を“他人ごと”ではなく“自分ごと”としてとらえることは、いざというとき正しい行動や判断ができるかどうかにも大きく関わってくるはず。
「美香も、局に残って放送を続ける中でふと自分も被災者だと気づいて衝撃を受けるんです。私もそうなんですが、大きい地震を経験したことがないと、なかなか“自分のこと”として災害の危機意識をとらえきれていなかったりする。普通に生活していると、東京に大地震が来たときにどんなことが起こるか想像しづらいと思うのですが、こういったドラマであればよりリアルに共感できると思います。もちろん私も何が正解なのか、どうすれば助かるのかは分かりません。だからこそ私も番組を見て、そのつど正しい判断ができるようなヒントを学びたいと思っています。皆さんもぜひ、このドラマを機に“自分ごと”の防災減災意識を持っていただけたら、と思います」
(本紙・秋吉布由子)
ドラマ『パラレル東京』
【放送日】2019年12月2日(月)~5日(木)/NHKスペシャルシリーズ「体感 首都直下地震」内【作】成瀬活雄【出演】小芝風花、高橋克典、伊藤淳史、室井滋【演出】石塚嘉【URL】https://www.nhk.or.jp/taikan/parallel-tokyo/

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