画像: 髙田延彦「ケイプ戦は海にとってそんなにイージーな試合じゃない」【12・31 RIZIN】

髙田延彦「ケイプ戦は海にとってそんなにイージーな試合じゃない」【12・31 RIZIN】

ベラトールとの協調によって生まれるプラスアルファに期待
格闘技イベント「RIZIN」の解説を務める元総合格闘家の髙田延彦が12月10日、都内で取材に応じ年末に開催されるビッグイベント「BELLATOR JAPAN」(12月29日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)と「RIZIN.20」(12月31日、同)の2大会の見どころについて語った。
これまでRIZINの年末は常に2大会開催されていたのだが、今年の特徴は29日の大会がベラトールというUFCに次ぐ規模を持つ米格闘技団体のブランドで行われること、そして2大会を通じて、対抗戦やRIZINの選手によるカードを29日大会に提供するなど、団体間で選手の交流が行われるということが挙げられる。
髙田もこの点については「ベラトールは黒船ではあるが決して日本のマーケットを乗っ取りに来たわけではない。RIZINと手を組み、協調して、それぞれが魂を注いだイベントの競演になる。エキサイティングな気持ち」と歓迎。そして「これによって誰が一番得をするのかというと、日本でそれを目の当たりにできるファン。そして交流戦やタイトルマッチを含めて、選手にとってはいろいろとチャンスが広がっていくのではないかと思う。すでに堀口恭司選手が両団体に上がっているが、RIZINの選手がベラトールに、ベラトールの選手がRIZINに、という刺激的な場面をこれからさらに増やしていって、イベントや選手の底上げをしていきたいと思っている。そういう意味では例年とは違うエキサイティングな年末になる。それに29日は金網、31日はリングとビジュアル面だけでも心躍るものになる。それは見る側もそうだが、その中で戦う選手たちが“自分の未来を自分で変えていける”ということを実感してリングに向かっていくと思うと、今までとは刺激が違うのではないかと思っている」などと、ベラトールとの協調によって生まれるさまざまなプラスアルファに期待した。
ミスターベラトール、マイケル・チャンドラーの試合が見られて幸せ
個々の注目カードとしてはまずは29日大会の「マイケル・チャンドラーvsシドニー・アウトロー」を挙げた。このカードはベンソン・ヘンダーソンの欠場でチャンドラーの相手が変更となってしまったのだが、髙田は「ミスターベラトールであるチャンドラーの試合が見られることは幸せなこと」と話した。続けてエメリヤーエンコ・ヒョードルの日本ラストマッチとなるクイントン・“ランペイジ”・ジャクソンとの一戦も挙げた。
また注目選手としマイケル・“ヴェノム”・ペイジ、ゴイチ・ヤマウチの名を挙げる。
ペイジについては「とんでもない選手。相手をコケにしまくるパフォーマンスで超ヒール。めちゃくちゃ強いんだけどアンチが多い。手足が長くてテクニシャンの一方で変則的、テイクダウンを取られる前に相手を倒す、という唯一無二のスタイルを持ったファイター。相手の安西選手も強い選手だが、いけにえにならないように。恐らくマイケル選手のペースで試合が進んでいくと思う。このマイケルを生で見られるのは楽しみだしエキサイティング」
ヤマウチについては「彼は卓越したグラップリングの技術を持っていて、一本勝ちが19ある。相手のダロン・クルックシャンクはストライカーでスタイルが真逆。どんな絡みを見せるか。ヤマウチ選手が一本取るのか、倒されるのか。互いに非常に高いレベルの技術を持った者同士なのでなおさら興味がわく。ヤマウチはクルックシャンクを捕まえることができるのか。あるいはクルックシャンクが捕まらずに離れながらヤマウチをKOするのか。ヤマウチはとにかく下になったら一本取ることができる選手。ヤマウチ地獄に持って行かれない中でクルックシャンクが仕留めることができるのか。全くスタイルが違う。それでいてともに最高峰のレベルを持つ同士。こういう試合は楽しみ」などと話した。
対抗戦に出場する中村K太郎についても「相手はスコット・コーカーがウェルター級の次期コンテンダーと宣言している選手。ということはK太郎選手がチョークで絞め落とすようなことがあればベラトールのチャンピオンシップに大きく近づく。それも大きなモチベーションになる。この試合もスタイルが違う者同士。気になるカード」などと続けた。
ライト級GPにはニュースター誕生の予感
大晦日大会については「29日が終わって、フレッシュな気持ちで31日を迎えるのではないかと思う。31日にも対抗戦が組まれているが、自分の中では1回線引きして試合観戦に臨むという感覚。テーマも随分変わってくるし、ちょっと違った世界観」ととらえた。
試合については「見る側にとってもドラマが伝わりやすい試合がそろっている」としたうえで、まずはライト級GPの準決勝と決勝を取り上げ「相当レベルが高い。初めてK-1がフジテレビで中継されたのは『LIVE UFO』というイベントの時。あそこからブランコ・シカティックとか佐竹雅昭さんとかいろいろな選手が出てきて、フジテレビが育て上げて数年後に人気が爆発した。でもあの頃はそこに出ていた外国人選手を知ってる人は一般にはいなかったはず。それとオーバーラップするんだけど、この4人の中からRIZINばかりでなく世界を引っ張っていくようなスーパースターが出てくる予感がしている」とニュースターの誕生に期待した。
またすっかりRIZINの中軸となっている朝倉兄弟の試合についても言及。
弟の海は堀口恭司とのタイトルマッチが堀口の練習中のケガで流れてしまい、マネル・ケイプとの王座決定戦となった。
髙田は「ケイプの試合が海にとってイージーでないことはファンには十分伝わっている。前回の試合も2-1と判定は割れた。ケイプは判定にクレームをつけていた。そんな思いもあるし、この間、海選手は堀口選手と佐々木憂流迦選手を破って、勝ったら非常においしい存在になっているからモチベーションは相当高いはず。今までにないほどのコンディションを作っているという話も耳に入ってきている。下手すると下手します(笑)。それに今までは追う立場だったが、追われる立場になることで精神状態も微妙に変わってくる。そこをどう突破していくか」と必ずしも海にとっては一筋縄ではいかない試合であることを予想した。
兄の未来は対抗戦でジョン・マカパと対戦。髙田は「相手はグラップリングが強くて寝かせて一本取りに来るファイター。今まで戦ったことのないタイプなのではないかと思う。マカパが過去に負けた相手はすべてベラトールのトップクラスなので、実力は間違いない。こういう選手とやることによって、未来が今、世界のどのへんにいるのかということを示す試合になると思う。ここでいつも通りの勝ち方を見せれば、未来も世界中のファイターから見て“おいしい”存在になる。それが堀口選手が言う“俺たちと戦いたければRIZINに来い”ということにつながる。世界の強豪が彼らを倒すためにここに集まってくる状況を作る一番の近道になる。ぜひ実現してもらいたい」と期待を寄せた。
今後の海vs天心戦の実現の可能性についても言及
江幡塁とのキックボクシングルールでの試合が決まった那須川天心については「個人的にはいろいろな可能性を見てみたいという思いがある。あそこまで、他の人が持っていないポテンシャルを持ち合わせているファイターだし、ましてや二十歳という若い選手なので、リスクを冒して新しいことにチャレンジしてもらいたいという思いは率直なところはあった。相手も強いと聞いているが、キックボクシングの試合であれば、彼のホームグラウンド(RISE)で見ることができる。RIZINでしか見れない那須川選手のファイトを見てみたいという思いはあった。非常にデリケートで難しい問題だとは思うけどね」と話した。
今年の夏に海が堀口を破った後、そして大晦日の試合を堀口が欠場するニュースが流れた時に「海vs天心」を待望する声がSNS上でも上がったのだが、このカードの実現については髙田は「去年の9月に堀口選手がキックルールで天心選手に挑んだ。あれは一瞬、我々も有頂天になってしまって、堀口選手の男気に乗っかった感じになったが、本当はああいう試合はやるべきではなかったなと思う。ルールが片方のルールに偏ってしまっていた。この2人を戦わせるにしても、ああいう偏った戦いはやらせるべきではない。もし百歩譲ってやってもらうのであれば、極力、平等に近いルールで両方が戦えるような、そういう環境をイベント側が責任を持って作らなければいけない」などと実現に向けてはルール問題がハードルになるという個人としての見解を示した。
そして「深い事情は知らないが、このカードは消滅して実現はしなかった」と話した。
海に「RIZIN愛を感じた」
また髙田は堀口戦が流れた後に海が「これだけカードに穴が開いたのであれば、僕は何でもやります。やれることがあれば言ってください。なんでも受けます」とRIZIN側に言ってきたことを明かし「堀口vs海戦がなくなって一番ショック受けたのは海選手であり、堀口選手。それなのに自分がショックであれば、見るファンも同じくらいショックを受けているのではないかと思って、そういう意思を伝えてくれたんだと思う。ものすごいRIZIN愛を感じた。この場を借りて、本当にありがとうと言いたい。もう気持ちはケイプ戦にしっかりアジャストしていると思う。ケイプも潰しに来るし、それを受ける海も潰しに行く。大晦日の海の一挙手一投足から目が離せない。心の底まで感じたいという気はする」などと話した。
大晦日はどうしても他のイベントや放送では裏番組との過酷な争いとなるのだが「今。RIZINが最も打ち出したい勝負論が詰まった質の高いカードが揃っている」と太鼓判。
そして今秋開催されたラグビーW杯を例に挙げ「やる前までは“やっても盛り上がるのか?”と言われていた。でも今回のW杯では自治体も企業もメディアも、日本全体が“みんなでラグビーを見よう”という環境を作った。ラグビーというスポーツ自体が素晴らしかったこともあって、子供からルールの知らないお年寄りまでみんながラグビーを見た。いいものであって見られる環境さえ作れば、その魅力は伝わると思う。ルールなんて分からなくても、理屈抜きで、ダイナミズムが伝わればみんな納得してくれる」などと選手、カードを含めたコンテンツの充実度に胸を張った。そして最後もラグビーに引っ掛け「選手たちは試合が終わればノーサイド。戦っている時は命を懸けてやっているが、イベントとしてはワンチームですから(笑)」と流行語大賞を受賞したフレーズで締めくくった。

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