画像: 今年一番○○だった本でオールスターが激突!?

今年一番○○だった本でオールスターが激突!?

スチュワーデスの歴史から片手袋考察まで、ビブリオバトル頂上決戦
スポーツ感覚の知的書評合戦として知られる「ビブリオバトル」。紀伊國屋書店新宿本店では、2019年の「ビブリオバトル in 紀伊國屋書店新宿本店」チャンプ本獲得者のみのバトル〈年忘れ☆オールスター〉が行われた。発表者が面白いと思った本を5分間で紹介し、参加者全員で2分間ディスカッション、「どの本が一番読みたくなったか」を投票して最多票の本がチャンプ本となる。テーマは「今年一番○○だった本」。
トップバッターの瀬部貴行さんは「今年一番残念だった本」として行きそびれた特別展の図録、国立民俗学博物館編『驚異と怪異』(河出書房新社)を紹介。ディスカッションで現代の面白い存在を聞かれ、「幻獣や怪獣のビジネス化に一節割かれていて、チベットの雪男グッズの紹介には驚いた」という言葉に会場から思わず笑いが漏れる。
西川正洋さんの「今年一番『へろへろ』になった本」は、鹿子裕文著『へろへろ』(ちくま文庫)。福岡県の新しい介護施設立ち上げにまつわるドキュメンタリーを思い入れたっぷりに語り、制限時間ギリギリに「その後を話したいのでぜひ」とディスカッションに突入する荒技を披露。
石神誠一さんは「今年一番女性の強さを感じた本」のヴィクトリア・ヴァントック著『ジェット・セックス』(明石書店)をスタンディングスタイルで発表。「スチュワーデス」という職業の歴史を紐解きながら、ジェンダーやセクシャリティ、人種問題や美的概念などをあぶり出す内容に、「その本はどこで見つけたんですか?」という素朴な疑問も飛び出した。
後半戦は、自身もビブリオバトルを主催するという榎村真由さんの「今年一番笑った本」、五十嵐良雄著『読む薬』(アチーブメント出版)。いつも発表しそびれてしまう一冊で、各国の読書療法を紹介しているのだが、著者の読書愛があふれていてつい笑ってしまうのだとか。
「今年一番意表を突かれた本」として石井公二著『片手袋研究入門』(実業之日本社)を紹介したのは長岡雷太さん。道端に落ちている手袋の研究本でそのまま放っておかれる「放置型」に深海に落ちている手袋があることや、拾った人が目立つ場所に置く「介入型」などが実用的に分類されていると解説。ディスカッションでは「私は片手袋をよく製造する側ですが役に立ちますか?」など、突っ込んだ質問も。
最後は亀山綾乃さんの「今年一番出版を待ち望んだ本」、濱野ちひろ著『聖なるズー』(集英社)。動物性愛者の人々と寝食を共にして取材したノンフィクションで、『遠野物語』を受容する日本人の性愛観の考察を続けたいといって発表を終えた。
最終投票を行った結果、チャンプ本は『片手袋研究入門』に決定! 受賞の感想を「年忘れで気合の入った本の中で選ばれてうれしい」と長岡さん。今回は小説が一冊もなかったことが意外だといい、発表のコツを「人にすすめたくなる本を選んでいます。私は原稿を準備して、事前に2〜3回くらい5分間で伝える練習をしました」と笑顔で明かす。
知らなかったけれど面白い本を知る機会にもなるビブリオバトル、終了後も紹介された本を買い求める人や参加者と本について語り合う人でにぎわった。

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