画像: マスクで酸欠や熱中症リスクも。夏のコロナ対策どうする?医学博士に聞いた

マスクで酸欠や熱中症リスクも。夏のコロナ対策どうする?医学博士に聞いた

手洗い・うがいに、マスク着用、ソーシャルディスタンス。新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、こうした感染予防生活に慣れてきた人も多いはず。これから気になるのが、春先までのそうした予防策を、これからやって来る夏本番に続けていいの?というところ。熱中症や夏風邪のリスクも高まる中、夏のコロナ対策はどうすれば良いのか。意外と見逃しがちな感染予防のポイントを、感染症研究を専門とするダイキンの新井潤一郎医学博士に聞いた。
人は無意識に顔を触りがち?1時間に十数回も
気温の高い日が増えてくると、手で汗を拭ったり、タオルを使ったりする機会も増えてくる。新井博士によれば、人は無意識に顔に触れているといい、その回数は1時間に十数回とも。特にこれからの時期、新型コロナウイルスだけでなく、夏風邪の一種「プール熱」の原因となるアデノウイルス感染症の接触感染にも注意が必要だ。手で直接顔に触れたり、タオルの使い回しなどで目や鼻や口からウイルスが入らないよう、外出先では「腕を肩より上に上げない」と自分の中で決めたり、物に触れた時には、こまめに手を洗ったり、除菌ペーパーを持ち歩くなど、ルール作りをするといいそう。
また、手洗いで見落としがちなのは、爪の間。実は、洗い残しで最も多いのは爪や指先で、細菌の数は、なんとトイレの便座以上という驚きの報告もある。菌が溜まりやすい爪対策として、新井博士は「手洗いブラシ」を推奨している。ブラシを使えば爪の間に溜まった汚れも落としやすく、煩わしさもない。無意識にでも洗えるように、洗面所やキッチンに置くなど、日常生活の中で習慣化してしまうのがおすすめだという。
夏のマスク着用、注意点は?
つづいて、気になる夏のマスク事情。中国では、医療用マスクの着用で体育の授業中に中学生が酸欠で亡くなったとの報道もあり、夏の運動時や外出時のマスク着用には、注意が必要だ。新井博士は、「酸欠までひどくならなくとも、脳へ送られる酸素量が減る危険性があります」と指摘する。息苦しい、頭がぼーっとする、クラクラするなどの症状は、体内に二酸化炭素が増えた危険なサイン。残念ながら、人には酸欠自体を感じるセンサーはなく、「酸欠は急に襲ってくるので、定期的にマスクを外して、深呼吸するなどの対策が必要です」と新井博士は語る。
また、マスク着用による熱中症のリスクにも注意を払いたい。新井博士によれば、人は、体温が上昇したとき、脳がそれを感知して、神経系を介して血管や筋肉、内分泌器官等に刺激をおくり、体温を平熱に保とうとする機能があるが、こうした恒常性維持機能がマスク着用によって低下する可能性があるという。マスク着用で口周りに湿気がこもって喉の渇きを感じづらくなったり、外す手間や近くの人への気遣いからマスクを取るのをためらったりすることで、水分を取らずに知らないうちに脱水が進むケースにつながる恐れもある。新井博士は「“のどが渇いた”と感じた時には遅いのです。定期的な給水以外に対策はないと思います」とアドバイス。自分自身はもちろん、自分では気づきづらい子供や高齢者などには、周りがこまめに気を配ると良さそうだ。
換気は夜間こそ大事
感染予防のため、定期的な窓開け換気などを意識した人も多いだろう。だが、気温の高い日が増えるこれからの時期、一日中部屋を閉め切ってエアコンを付けっぱなしにしてしまう事も多いのでは。閉め切った部屋など換気の悪い場所では、空気が知らず知らずのうちによどんでしまうため、1時間に5~10分程度など定期的に換気をして、部屋全体の空気を入れ替えることが大事だ。
そして、意外と見落としがちなのは、夜間の換気。熱中症の観点でも夜は重要だ。昼間の熱が壁を伝わってゆっくり室内温度を上げること、睡眠中は体温調節機能が低下することから、熱中症の危険度は夜間により高くなるという。「熱中症にならないためには、空調機は寝ている間こそ利用しなければなりません」と新井教授。エアコンとともに、換気扇や24時間換気システムのスイッチをオンにして、夜間も部屋の空気を循環させたい。
新型コロナウイルスの対策を前提とした「新しい生活様式」が求められるなか、これまでのやり方にとらわれて熱中症や酸欠を起こしてしまっては、本末転倒だ。季節に合わせた対策を取り入れることで、より安全に夏本番を迎えたい。
新井 潤一郎氏
ダイキン工業株式会社テクノロジー・イノベーションセンター
プロフェッショナルアソシエート 医学博士
1979年 東北大学理学部卒業
企業の研究員、通産省工業技術院主任研究官を経て、入社
福井大学産学官連携本部客員教授兼務

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