画像: 女性向けアダルトグッズメーカーの代表へ話を聞いてみた〈後編〉【SOD女子社員・負け犬女の働き方改革】#12

女性向けアダルトグッズメーカーの代表へ話を聞いてみた〈後編〉【SOD女子社員・負け犬女の働き方改革】#12

前回に引き続き、株式会社ドリーミィーの綱島慶乃さんへのインタビュー。
今回は、アダルトグッズの在り方を通して、女性の性への向き合い方に迫った。
今回の話し相手:綱島 慶乃(つなしま よしの)さん
株式会社ドリーミィー代表取締役。
アダルト商材流通会社にて約9年勤務の後、現職。現在は代表として女性のみで運営するラブグッズのネットショップ「LOVELY POP」の運営及びオリジナル商品の製造・販売に携わっている。
LOVELY POPショッピングサイト http://www.lovelypop.com/
(前回の記事はこちら... https://www.tokyoheadline.com/498274/ )
―――なんでアダルトグッズって買いづらいんですかね?
なんででしょうね。私も通販担当の渡辺店長もそうなんだけど、もともとあまり、アダルト全般に対して恥じらいの気持ちとかがなくって(笑)その買いづらいっていう気持ちを理解しきれていないのがもどかしいんだけど。
たぶん、「こんなことをしたら怒られる」とかと同じで、「こんなの買ったら自分が承認されない」みたいな、そういう風に思ってるのかなって考えたこともあるな。
一方でアダルト業界でも最近は女性スタッフが商品のPRをしたりしていて、買いやすくなったようにも見える。でもいまだに買いづらいというお声は聞きますし、悩んで買っているんだなと感じることが多くあります。お客様には、もっと楽に買ってほしいと思っています。
―――「楽に買ってほしい」っていうのはどういう意味ですか?
たとえば、ティッシュ買うみたいに。ティッシュ買うときに、値段がいつもと違っても、メーカーが違っても、あまり気にしないじゃない?でも、バイブ買うときってそういうふうじゃないのかなっていうのを感じるんです。めちゃくちゃ吟味して買うんですよ、皆さん。ティッシュとは単価も物としても違うから、全く同じようにとは言えないけど、今よりももっと手軽に買ってもらえたらいいなって常々思っています。多少失敗してもいいかな、というふうに。これがダメならもう次はない、と思い詰めてしまうのは、選ぶのも大変だし買うのも大変ではないでしょうか。ダメだったら次こっち買ってみようかなと思えるお買い物を、まずは体験してもらいたいなと思う。それが「楽に買える」っていうことですね。
そういう思いもあり、LOVELY POPのオリジナル商品の「エクスティック」に対して「試着感覚で使えるバイブ」というコピーをつけています。これは、女性スタッフや女性のモニターさんの声が反映された、自信をもってオススメできる商品。なんですが、まずは試してほしいから2000円程度のお値段なんです。2000円くらいでバイブが買えたら、ちょっと買ってみて気に入らなくても合わなくても「まあいっか、次」って思ってもらえるかなって。そういう狙いで、このシリーズは作っていますね。
―――たしかにGIRL’S CHでもご意見いただくことがありますが、まだ結構皆さん思い切って買うという印象ですよね。
そうですね。注文するときに「3年悩んで買いました」というコメント添えてくださったお客様もいて。「そんなに!」って驚いたんだけど、お客様はそれくらい、アダルトグッズは簡単に買えるものじゃないって思ってるわけですよね。「エクスティック」を通して、以前よりも抵抗なく買えるようになったんじゃないかな?と思っていても、まだこの差がある。これは埋めたい差だし、埋められたらお互いハッピーだと思うんですよ。お店としてはいっぱい買ってもらえてラッキーだし、お客様はいっぱい楽しい機会が増えてラッキーなわけだから。
―――その差って、いわゆる買いづらさの原因だと思うんですが、グッズの形とか、デザインの問題じゃないと思うんですよね。
そこだけじゃないと思う。おしゃれなものが売れるかというとそうでもないですよね。
デザインがおしゃれなものっていうのは、いかにグッズをチンコ型じゃなくするかっていうことだと私は理解してるんですけど、自分の性欲の根本って結局はチンコだと思ってるし、そこからはずれたただの振動する棒であればいいかっていうと、私はそうじゃないって思うます。そしてLOVELY POPをやっている中で、私と同じように考えている人がたくさんいるのも感じています。そういう方々にとって、リアルな形のものが欲しいけど言えない雰囲気が、余計に抵抗感につながっているのかなとも。例えば、「これだったら使っても恥ずかしくない」という記事をよく見るけど、私はそういう言い回しが、グッズに興味がある人の気持ちを遠ざけるのではとも思ったりしますね。
これだったら大丈夫っていう意識の奥底にあるのって「チンコが好きであることは恥ずかしい」っていうことだと思うので、私はその「チンコが好き」っていう気持ちごと認めるほうが、抵抗感をなくしていくことに繋がるのではないかと思うんですけどね。
―――私の感覚だと、「これだったら使っても恥ずかしくない」っていうのは、「これ以外は使っていたら恥ずかしい」ということの逆説だと思うんですよ。それってすごく選択肢を狭められるから、私はすごく嫌いな言い回しで。「チンコが好きであることは恥ずかしい」っていう視点で考えると、女性がそういうことを言うべきではない、思うべきではない、っていうある種の男尊女卑的な価値観が日本にはまだ根強いからだと思います。日本女性はつつましくあるべき、みたいな。そういう価値観が社会的にも強いし、女性もその価値観の中で育って生きている人が多いから、認めづらい欲求なんじゃないかなと。
「これだったら使っても恥ずかしくない」という言い回しが選択肢を狭められるのは私も感じます。「チンコ=いけない」みたいなのって、女の人からも出てくる発言で、「このグッズだったら使ってもいいんじゃない?」って書くのって女の人だったりする。そう思うと、確かに伝統や価値観の問題はあるかもしれないし、その中でチンコ好きって率直に言うのは難しいかもしれないですね。だからこそ、私たちは、そういう人もいるんだということをフラットに伝えていきたい。
もともとアダルトグッズ自体がニッチな世界であることは理解してるし、今の日本ではアダルトグッズを女性が使うということはニッチであることが現実だと思っています。だからといってニッチであるからという理由で、差別される所以も、嫌な思いをする所以もないはずです。
使いたい人は使うし、使いたくない人は使わない、でいい。私たちがフラットな姿勢でチンコが好きというスタンスを伝えることで、少しでも使いたいと思ってる人のハードルを下げていくことができたらいいなと思います。
―――最後の質問なんですが、今はこうしてアダルトグッズを取り扱う仕事をしていますが、他の業界や他の商材でも、同じように、同じような立場で、楽しく人生を送ってるかどうかって想像できますか?
多分楽しくやってると思います。ただ、アダルト業界って、学生のときに一切関わりがない業界だったから新鮮だし、面白いなって思うし、面白い分モチベーションもあがるし、大変なことも多かったけどあきらめないで働き続けることができているのは、アダルト業界だったからということもあるかもしれない。アダルト業界に入ったことがカンフル剤みたいになってより楽しい人生を送ることができているのかなとも思います。
―――綱島さんは、チンコや商品への愛はびんびんに伝わってくるんですけど、本当にフラットに話しますよね。まるでチンコやバイブの話をしてるとは思えない感じで。
それは、本当に恥ずかしいという気持ちがないからだと思います(笑)。それに、すべての業務・業種関わらず、仕事の根底は同じだと思っているので「私たちアダルトだし」っていう考え方を、絶対排除しようと思ってる、私の中から。アダルトだという理由で開き直ったり、卑下したりしないようにしています。
希望して入社したSODだけど、入社してみると、仕事を教えてくれる先輩とかも、「どうせうちはアダルト業界だから、悪い扱い方されてもしょうがない」とか、「アダルトだからこの程度でいいんだ」とか言ってるところに遭遇してしまうところがあったりして。でも、私はその考え方ってすごくつまらないなと思ったし、そういう部分が偏見をもたれる要因なんじゃないのって思ったんです。おしゃれなグッズだからいいわけじゃないというさっきの話にもつながるんだけど。結局自分で卑下してるじゃん、って思って。
自分たちがそのスタンスでいるから、そこから抜け出すことができない。偏見や誤解を持つ人がいるのは理解しているけれども、発信する・販売する大元のメーカーがそんなこと言ってたら何も変わらないと思うんです。自分たちがいいと思うものを当たり前にいいと言えばいいのに、アダルトだからしょうがないっていう一言で片づけたくない。
アダルトの商材に偏見をもつ気持ちは理解できます、でも私はこういうスタンスですよ、というのを常にフラットな姿勢で見せていきたいと思っています。
アダルト業界で働く理由は、人それぞれだ。商材に興味がある人もいるし、会社のビジョンに共感したという人もいるし、ただなんとなくという人だっている。
そして、経営に興味を持ってこの業界に飛び込んだ、綱島さんのような人もいる。「アダルトだから」をネガティブな意味ではなく、自分のカンフル剤として扱う、そんな働き方もある。
一人の経営者としての熱い思いが、皆さんにも伝わったのではないだろうか。
田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。

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