画像: 「D」はなぜ200万人から愛されるのか? 芸能人と肩を並べるインスタグラマーの素顔

「D」はなぜ200万人から愛されるのか? 芸能人と肩を並べるインスタグラマーの素顔

日本で一番Instagramのフォロワー数が多いのはタレントの渡辺直美だ。そのフォロワー数は900万人を誇る。続いてローラや水原希子が500万人超、岩田剛典や登坂広臣、ONE OK ROCKのボーカリストTAKAなどのアーティストたちが200万人を超える。
その「フォロワー200万人」という高いボーダーに、ある一人のインスタグラマーが君臨している。その「d_japanese」というアカウントは、現在フォロワーが244万人を超えている。
「D」と名乗る彼は、芸能人でもモデルでもない。しかし、名だたる日本の有名人と肩を並べ、200万人以上のフォロワーに愛されている。彼は一体誰で、なぜ200万人から愛されているのか。実際に会ってみた彼は「インスタグラマー」という肩書きから想像する人とは、全く違う人だった。
Instagramでお金を稼がないインスタグラマー「D」
彼に肩書きを聞くと、「インスタグラマー」と答えた。インスタグラマーといえば、一般人でもの使い方しだいで誰でもなれる憧れの職業の一つ。職業としてInstagramを使って収益を得ようとすると、「PR案件」と呼ばれる仕事を請け負う人が多い。企業の新商品やイベント、サービスを紹介するような投稿をし、フォロワー数や実際の投稿からの購買数に応じた報酬をもらう。
「僕はインスタグラマーを名乗っていますが、商品紹介などでお金を稼ごうと思ったことはありません。なので僕は、僕よりフォロワーが少ない人よりも稼ぎが少ないかもしれない。僕にとってInstagramは、自分のフォロワーさんに楽しんでもらうための場所なんです。僕を見ることで、何を彼らに還元してあげられるか、常に考えています」
Instagramは、今はビジネスとして参入している企業も多い。自社の商品を売るため、個人が案件で稼ぐため......「どうやったらフォロワーを増やせるか」をベースに運用する人も多い。
「僕はフォロワーを増やそう、と思って活動したことは一度もありません。フォロワーを”数”として認識するのは、相互的じゃない感じがしてちょっと、僕はイヤですね。僕がInstagramを始めたのは2014年で、まだ日本にInstagramが来たばかりの頃でした。もともとはファッションスナップを撮るアカウントをやっていました。理由は、まだInstagramでスナップをたくさんあげるような人があまりいなくて、面白そうだと思ったからでした」
今のSNSユーザーは、ビジネスに敏感だ。PR投稿や企業のアカウントなどの、裏で動くお金がある投稿を「ステマ(ステルスマーケティング)」といって、敬遠したり、時には嫌う傾向にある。
「僕は海外のアカウントもよくチェックしていますが、個人アカウントに、こんなにビジネスが入り込んでいるのは日本が特殊ですね。日本のインスタはどんどん過激になっています。ここ最近は露出の多いインスタグラマーも増えましたね。ジムやダイエット食品、エステなどの案件が取りやすくなるし、注目も集められる。でも、世界という大きな目で見てみると、日本のインスタグラマーのあり方はちょっと特殊です。僕はあまり、インスタで稼ぐ日本のインスタグラマーには憧れませんでしたね」
日本におけるフォロワーの取り合いは、確かに激化している。よりわかりやすく情報を画像に盛り込んだり、脱いだり。しかし、Dは情報のある画像を投稿するわけでも、まして脱ぎもせず、フォロワー200万人に到達している。
「僕がしていたのは、僕だけの世界観のある投稿を長い間続けたことと、日本でだけはなく世界から愛されることを目標に、90カ国語で発信したこと。それに、手押しでいいねを毎日返しに行くことくらいです」
インスタで人とコミュニケーションしたいというDは、毎日自分に押されたいいねを、手動で返すという。Instagramをビジネスで運用する人は、いいねやフォローを繰り返すbotツールを購入する人も多いが、彼は「シンプルにアカウント情報を他のツールに入力したくない」と、毎日800ものいいねを手動で押しにいっている。
どこにでもいる少年が、Instagramで有名人になるまで
そもそも、有名になるため、お金を稼ぐためにInstagramを始めたわけではなかったという。ファッションスナップのアカウントから、今の”D”はどうやって生まれたのか。
「中高生の頃は、いじめられっこでした。どうしても周りから理解されないことが多かった。インスタを始めた2014年当初、僕は九州の専門学生でした。卒業と同時に、ファッションの仕事がしたくて、流行の中心である東京に来ました。その頃僕は何も知らなくて、今思えば半ば騙されるような形で働き始めたのが......ブラック企業でした。相談できる人は誰もいなくて辞められなかった。自殺を考えたこともありました。それでも、自分のインスタの更新だけは怠りませんでした。そこでのコミュニケーションは僕にとって、本当に楽しいものだったからです」
そこで3年働いた。その間も、インスタは更新した。どこまでも彼の中でのインスタは、ビジネスではなく趣味であり、コミュニケーションだったという。ただ、その一貫したスタンスが実って、今では自分が本当に面白いと思う仕事のきっかけになってくれる時もあるという。
「僕の原動力はいつでも”面白そうかどうか”だけです。インスタは、人との交流が楽しかったからずっと続けられた。僕はインスタ上で仕事をすることはないですが、インスタがつないでくれた人との交流のおかげで、楽しそうな仕事ができることはあります。昔大好きだったポケモンのアパレルの仕事を振ってくれたり、地元・佐賀県の企業との仕事もつなげてくれました。
僕がインスタから得たものは、人とのつながりだったと思います。そこに相互性のあるコミュニケーションがあったからこそ、得ることができたものだったと思います」
現在は交流をより深めていくために、日本人をフォローバックするアカウントを作ったり、オープンチャットでファンと交流したりしているという。
気づけば、話し始めてから2時間弱。その間も、インスタグラマーという肩書きから持ってしまいがちな偏見じみた「ミーハー」「目立ちたがり」などといった印象は少しもなかった。人並みの生きづらさを抱えた、ごく素直で細やかな青年がそこにいた。
SNSがもたらしてくれた”人とのつながり”という財産
学生時代、他人から理解されなかった少年。就職しても、しんどいことも多かった。同じような人生をたどる若者も多いだろう。しかし、彼はSNSを通じて、人からの理解を得た。理解を得ようとしたわけでも、就職で上手くいかなかった分、個人でカネを稼ごうとしたわけでもなかった。人と交流したいというシンプルなモチベーションだったからこそ、こうして200万人の理解を得たのかもしれない。D自身も、200万人のことを本気で理解しようとしたからだ。
多くのSNSの有名人は、一方的にファンに認知されるだけで、自分もファンを認知しようとはしない人もいる。ビジネスという目的の中では、それでもいいのかもしれない。しかし、SNSというコミュニケーションの本質を見抜いたことで、人々から愛された人もいる。ファンであるフォロワーに、何を還元できるか。それは、相手を理解しないことには分からない。
彼は今年、東京を離れるという。東京でかかる様々な維持費のためにカネに執着するくらいなら、自分の今のスタイルのまま生活できる土地で暮らしたいそうだ。どこに住んでいても、SNSがあれば人と繋がれる。彼がファンを愛するから、ファンも彼を愛する。SNSが原因で起きる悲しいニュースもある中で、どこまでもDは、SNSの本質を見ていた。
(文・ミクニシオリ)
『僕のインスタが200万フォロワーになった理由』
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フォロワーの数は200万超! インスタグラマーのD(ディー)の「Instagram」術。九州の一青年に過ぎなかった彼が、いかに世界中から注目を集める「D」になったのか。「Instagram」との向き合い方、使い方にもヒントをくれる。
D instagram:https://www.instagram.com/d_japanese/

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