画像: 息苦しい夏の長時間マスク、外すタイミングはいつ?救命救急医が教えるコロナ禍の熱中症対策

息苦しい夏の長時間マスク、外すタイミングはいつ?救命救急医が教えるコロナ禍の熱中症対策

これから本格的な夏がやってくる。新型コロナウイルスの感染者が増え続ける中、今年の夏はより一層の感染予防が必要になってくるが、同時にマスク着用で体温が上がりやすいなど、熱中症リスクも心配される。感染症対策と熱中症対策のバランスはどう両立すればいいのか。熱中症になりやすい日常生活でのシーンや、効果的なマスクの選び方、着脱の目安など、コロナ禍での熱中症に関する素朴な疑問に、帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター長の三宅康史先生が答えた。
年代別に異なる熱中症リスク
日本救急医学会の2017年調査によれば、日常生活の中で10代はスポーツで熱中症になる人が圧倒的に多く、40代は肉体労働で、60代以降は家の中で熱中症になる人が多い。特徴としては、スポーツや肉体労働など筋肉運動をともなう「労作性熱中症」は男性が圧倒的に多く、短時間で急激に発症することが多い。一方、筋肉運動をともなわない「非労作性熱中症」では男女差はなく、数日以上かかって徐々に悪化することが多いという。
三宅先生によれば、高齢者が家の中で「扇風機を回しておけば大丈夫」と猛暑日、熱帯夜で室内の温度が下がらないまま何日間か過ごしてしまい、基礎疾患がある人は食欲もなくなり健康状態が悪くなるという複合的な状態で重症化するケースが多いという。まずは、年代別にかかりやすい熱中症の環境が異なることに留意して、自分や家族がどちらの危険性が高いのか知っておくことが重要だ。
夏マスクの留意点は?
今や種類も豊富になったマスク。ガーゼや不織布、ポリウレタン、さらには夏に向けて冷感素材のものが登場するなど、さまざまなマスクが店頭に並ぶようになったが、どのような素材のマスクがいいのだろう。
三宅先生は「基本的に通気性の良いマスクは、マスクの役割を果たしているとは言い難いです」とし、「不織布マスクで、かつ帯電しているものがコロナ予防には優先されます」と答えた。わかりやすい基準となるのは、「全国マスク工業会」のマーク。全国マスク工業会では、米FDA(食品医薬品局)の基準に則った厳しい安全・衛生基準を設けているため、感染症予防の観点で見れば、マークのついた商品を選ぶようにするのがおすすめだという。
また、マスクが「何を」カットするかという点にも留意したい。たとえば、花粉用マスクは20〜30ミクロンの花粉粒子を防ぐのに対し、風邪用マスクは0.1〜0.3ミクロンのウイルスの侵入や飛沫防止を考慮しているため、風邪用マスクの方がより高いバリア機能を持っているといえる。ドラッグストアなどで目にする家庭用マスクの多くは、全国マスク工業会の「表示・広告自主基準」に則って、表示内容が統一されているため、商品の「対象項目」において「風邪・花粉・ホコリ等」の表示を確認し、「風邪」が含まれていればウイルス用としても使用できる。
マスクを着けるとき、外すときの目安は?
とはいえ、マスクは長時間着けていると口元が熱を持って不快に感じる上、夏場は熱中症のリスクも心配される。マスク着脱の目安はどのように考えれば良いのか。
三宅先生は「新型コロナを予防するには、効果のあるマスクを着け続けることが大事」とした上で、「マスクを外すチャンスもあります。周りに人がいなければ、飛沫を人にかける、吸い込むことがないので、マスクを外しても良いと思います」とアドバイスした。具体的には、三密を避けたところではマスクを外す、あるいはマスクをしている間は冷房の効いたところで過ごすなど、場所や環境を工夫することで、熱中症を防げるのではないかと語った。
例年にない過ごし方となる今年の夏。三宅先生は、昨年までの熱中症対策とこの春からの新型コロナ予防を、より丁寧に、少し大がかりに行うことで、両方とも防ぐことができると呼びかけた。この夏はこれまで以上に健康への高い意識と覚悟を持って、自分や大切な人の命を守りたい。
お話:三宅康史先生
帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長・帝京大学医学部救急医学講座教授。1985年東京医科歯科大学医学部卒業。さいたま赤十字病院救命救急センター長、昭和大学医学部教授などを経て、2016年より現職。日本救急医学会専門医・指導医・評議員、日本集中治療医学会専門医・評議員など。
著書:『現場で使う!! 熱中症ポケットマニュアル』

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