「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」のダブル選定を受けている豊島区の豊島区役所本会議場で12日、令和3年度「としま子ども会議」意見発表会が行われた。

 子どもたちが区政に関するテーマを自主的に決め、意見交換を行う「としま子ども会議」。今年度は6月に本会議の参加者向けに区の取り組みを説明し、その内容を踏まえて小学生から大学生まで16名の参加者が区政に関するテーマを決め、テーマの分野が近い子どもたちで4チームを構成。チームごとに意見交換や調査を行ってきた。

 豊島区の高野之夫区長は「これからどんどん社会が変わり、さまざまな展開をしていきますが、SDGsの17の目標に対して2030年のゴールを目指し、これからの世界をみんなで変えていこうという大きな取り組み」と挨拶し、子どもたちに「このような雰囲気の中で少し緊張しているかもしれないけど、今まで勉強したものを心置きなく発表してもらいたい」と呼びかけた。その後、NPO法人SLCの幅野裕敬代表理事が令和3年度実施を振り返り、いよいよ各チームの意見発表に。

 生涯学習チームの和田篤泰さんは、小・中学校にミニ農園を作って農作業を子どもたちに体験させ、収穫した野菜を炊き出しに活用することを提案した。齋藤夜空さんは、オリパラ後の施設の有効活用について「中止となった(学校連携観戦プログラムなど)オリパラ行事の代わりが予定されていないので、豊島区の体育大会を国立競技場で行うのはどうでしょうか。オリパラで使われた施設で豊島区のバスケや水泳の大会を行って、オリンピックの代わりに大会を見に行くのはどうでしょうか」と指摘。高安紗希さんは、としまスポーツまつりで知ったボッチャに興味を持ち、大会で優勝した経験をもとにスポーツイベントを増やしたいと語った。当日欠席の井上春杜さんは、区内の解放施設を活用して通学支援できないかを考えていたという。

 多文化共生チームの上平翠さんは、文化面で「海外からお越しの観光客への文化の普及や日本伝統文化のイベント開催、文化の発信や担い手の支援および後継者不足への対処」と課題を挙げ、高橋大地さんが「豊島区に関連する文化を選んで絵を描いて応募すると、優秀作品がIKEBUSの内装デザインに採用されるイベントや、豊島区内の学校などから文化アンバサダーを募り、区長や職人の皆さんにもご登場いただく紹介動画の作成。外国人の方を対象にした伝統文化に関連する施設をめぐり、アンバサダーがコンダクターをするバスツアーを行います」と提案。

 続いて三原真理愛さんが、国際交流について「Zoomなどを使ったオンラインでの外国人の方との交流と、区民広場でコロナ対策を徹底したうえでの交流イベント」を提案し、さらに植野葵さんは複雑な区役所の申請作業を「特にベトナム語やミャンマー語など専門的知識を持った通訳者の育成や、役所管轄外で申請をスムーズに進められるようインターネットなどで他言語で分りやすく提示すること。言語の隔りがなく気軽に利用できるようなバイリンガルカウンセラーの育成が挙げられます」と居住者がストレスや孤独を感じない配慮を求めた。

 SDGsチームの稲次啓子さんは、ビルの外壁に植物を配置する壁面緑化を訴え「西武百貨店の植物の壁を一部でなくビル全部につけ、池袋にあるすべてのビルにもつけるべきだと考えています」。竹内健人さんは、オンライン授業を行う学校の増設や転入届のオンライン化、小・中学生に配布するタブレットを国産に、区のデジタル化の進行度合いを専門家に調査してもらいたいと提案。松本佳積さんは、安全面ですべての道路に白線を引くことと「訪れる人にとって分かりやすく、整備しやすい街づくりのために、道路を広く道を少なくしたいです」と語った。

 バリアフリーチームの坂田裕奈さんは、車いすを使う立場から早急に歩道を整備する必要があるとし、その方法を「一つ目は区の管理する道を増やして整備すること、二つ目は道を管理している会社と豊島区が協力して整備することです。余計な時間と税金を使わずに行うには協力し合うことしかないと思います」と発表。竹田裕紀さんは聴覚障害者を支える例として、音の情報を近くにいる人が紙に書いて伝える、口話や筆談、手話などを使ったコミュニケーション、会話は顔が見える位置でゆっくりはっきりしゃべる、筆談は要点を短く簡単に書いてまわりくどい表現やあいまいな表現を避けることを挙げた。

 続いて寺師明希さんが「妹が普通学級に入ろうとした時に、入れるかどうか心配になったお母さんがストレスが溜まって大変そうだった」という経験から、障害を持っていて普通学級に通いたい人が簡単に通えるようにしたいと提案。石原聖菜さんは、障害者が参加できるイベントや防災訓練、映画館などに手話通訳者の配置を希望し、井上煌平さんは、スウェーデンのジェンダーニュートラルトイレにならい、LGBTの人が利用できる男女共用トイレの設置を求めた。それぞれのチームに対し、区の学習・スポーツ課長、多文化共生担当課長、SDGs担当課長、障害福祉課長から丁寧なコメントも。

 すべての発表が終わり、豊島区議会の磯一昭議長は「議員の中に、これ以上豊島区を見てない人もいるんじゃないかというくらい、皆さんが素晴らしく掘り下げてくれて大変感動しています。今回、皆さんが取り上げたテーマに来年度以降も継続して取り組んでいただければ」、芳賀竜朗子ども文教委員長は「それぞれのチームがよく勉強して、堂々と自分たちの意見を発表してくれた姿を見て、頼もしく思いましたし、他の人を思いやるやさしい意見発表だと感じました。今日の発表をいい経験として今後の人生にぜひ役立てていただきたい」と講評。

 続いて金子智雄教育長が、印象に残った意見として齋藤夜空さんに「どうして(学校連携観戦プログラムの)代替措置をやらないんだという怒りを感じました」、竹内健人さんに「ぜひ生涯学習センターでもっと勉強してオンラインの最新区にしてほしい」、寺師明希さんに「(寺師さんが在籍する)要小学校は、普通学級と障害学級を区別しないインクルージョンという取り組みにチャレンジしている。どうやったら上手くいくのか少しずつ進めていきたい」と感想を述べた。

 豊島区SDGs未来都市推進アドバイザーの一木広治氏は、子どもたちに「SDGsが掲げる2030年は皆さんが大人になって活躍する時代ですが、子どもたちの意見を取り上げていくために今年『こども未来国連』というプロジェクトを立ち上げました。これからは、いろんなものを超えてコミュニケーションを取らないと課題が解決しません。ぜひ皆さんもいろんなことを勉強したり活動したりしながら仲間を作ってください」と呼びかけた。

 最後に、高際みゆき副区長が「とてもよかった点はやりたいことが具体的なことと、何でやりたいのかが明確だったこと。びっくりしたのは資料がすごく上手で、私はいろんな課長から資料を持ってきて説明を受けるのですが、文句なく今日が一番よかったです」と笑いを誘いつつ「いろんな不便な人や環境に対し、相手の立場に立ってしっかり自分の目で見て考えることの大切さを改めて考えました。今日皆さんからいただいた素晴らしいご提案や発想は、豊島区として具体的に生かせるようにしっかり受け止めて取り組んでいきたい」とまとめて閉会した。

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